信州大学 教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【講演】「信州型フリースクール認証制度がめざすもの」@男女共同参画推進せんだいフォーラム2025

【講演】「信州型フリースクール認証制度がめざすもの」@男女共同参画推進せんだいフォーラム2025

 

2025年11月16日、多様な学びをともにつくる・みやネットさんからご依頼いただき、エル・パーク仙台にて「信州型フリースクール認証制度がめざすもの」と題した講演をさせていただきました。

 

当日は、不登校児童生徒の増加という教育が抱える普遍的な問題意識から出発し、多様な学びの機会を保障するための長野県の具体的取り組みに焦点を当てました。特に、フリースクールを「居場所支援型」と「学び支援型」に類型化し、運営費補助や研修支援、関係者間の連携促進を図る認証制度の設計プロセス(エビデンス確保、当事者性の確保など)を概観しました。


最近は、当事者の皆さんの切実感と支援者の皆さんの熱気がシンクロし、長野県外からお声かけいただくことが増えています。

 

お話しした内容のアブストは以下の通り。

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1. 制度の背景と問題意識
・「登校」だけを目標にせず、子どもの主体的な進路選択と社会的自立を支援すること。
不登校を個人の問題に矮小化せず、教育・福祉の機会保障という公共的課題として扱うべき。

2. 長野県の政策の流れ
文科省経産省内閣府の政策動向
「個別最適な学び」「協働的な学び」「学校外の学びを含む多様な学習機会の保障」へ政策がシフト。

●県の主な取り組み
①まなびの場支援事業
②「はばたき」ガイド(出席扱い・学習評価の整理、支援事例の紹介)
③コミュニケーションシート(子・保護者・学校・市町村をつなぐ)
④信州型フリースクール認証制度
⑤信州オープンドアスクール(多様化学校+夜間中学)構想

3. 信州型フリースクール認証制度の概要
●目的
・コミュニケーション・デザイン
・多様な学びの場の質保証と運営基盤の強化
・子ども・保護者・学校・行政が協働する仕組みづくり

●認証の類型(2種類)
居場所支援型
 ・週1日以上開所
 ・相談支援中心
 ・教員免許不要
学び支援型
 ・週3日以上開所
 ・学びの提供が中心
 ・スタッフ1名以上が教員免許保持

●認証基準(13項目)
運営の信頼性
利用者数
スタッフの専門性
開所日数
在籍校との連携
出席扱いへの対応
個別支援計画の策定
安心安全の確保
など

4. 制度設計の特徴
エビデンスの確保
・アンケート・訪問調査を実施し「財政基盤の弱さ」「質保証の仕組み不足」などを把握。

② 当事者性の確保
不登校経験者・FS運営者・保護者を委員に公募し、制度に当事者の声を反映。

③ 公開性の確保
・会議をライブ配信、資料公開。

④ 行政の伴走
・事前相談
・外部有識者による認証懇談会で現地確認
・認証取得後も継続的に支援

5. 制度運用の4つの柱
① 地域・社会資源の活用
自然・文化・人材など「信州らしさ」を活かした学びを推進。

② 自由と多様性の尊重
認証は任意。FSの独自性・多様性を尊重。
「学びの自由さ」を損なわない制度設計。

③ 運営経費への支援
人件費(R7から補助率3/4へ拡充)
活動費(外部講師、教材費、体験活動等)
施設費(家賃、光熱費、広報費)
安心・安全対策費(AED、転落防止柵、防犯カメラなど)補助率10/10で新設

④ 運営体制への支援
FS運営・スタッフ研修の実施
不登校支援機関連携推進員(R7から4名体制)
FS運営者のネットワーク(プラットフォーム設立支援)
情報ポータルサイト(kikka☆link)の本格稼働

6. 制度がめざす姿
子ども・保護者・学校・行政・FSが関係性を再構築する仕組み
公教育の再創造につながる「触媒」としての役割
行政が上から管理する制度ではなく、共に育てていく制度(共創)

7. 課題と今後の展望
●学校レベル
出席扱いの判断基準の共有
学習評価(評定)のあり方
高校入試におけるアスタリスク問題
→ 「子どもの最善の利益」と「学校制度」の間にあるジレンマへの対応が必要

●行政レベル
家庭訪問・情報共有・体験活動のコーディネート
不登校への理解促進
ICTを活用した遠隔学習の整備
公金支出(憲法89条)をめぐる整理と合意形成

・信州型フリースクール認証制度は、「すべての子どもの学習権保障」を核心に、県・学校・地域・FSが共創していく全国初の制度。
・認証は目的ではなく手段。
・制度の本質は、子ども自身が自分のペースで学び、進路を主体的に選び、自立していくための安心・安全で質の高い学びの場の創出。
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唯一の「解」がない中で、各自治体・都道府県の文脈に応じた個別最適な制度を構築いただくことが重要かと思いますが、何かお役に立てることがコミュニケーションをとらせていただけたらと思っております。


貴重な機会をどうもありがとうございました。