【連載】第10回「意識と無意識」(連載「働き方改革を『アンラーン』する」『内外教育』第7132号,2024年1月12日)
今年度から、時事通信社の『内外教育』誌上で、「働き方改革を『アンラーン』する」と題した連載をさせていただいております。
第10回のテーマは、「意識と無意識」です。
人は「経験」という名のキャリアを積めば積むほど、自分の「当たり前」に対する確信を深めていきます。しかしその半面、「当たり前」に対する感度は、時間の経過とともに、鈍っていきます。
「これまで」という前例に、知らないうちに固執している。そして、そのことを自覚していない。
何か新しい行動を起こすときに、立場や上下の関係性を意識してしまう。そして、「受け入れてもらえるはずがない」と、尻込みしてしまう。他方で、管理職や同僚からの依頼には「できます」「やります」と条件反射的に反応してしまい、後で、自暴自棄になる。
新たな取り組みの是非を判断するときに、その取り組みの内容ではなく、その取り組みの発信者の属性から判断してしまう。そして、そのフィルターを通してでしか物事の判断ができなくなっている自分を嘆き、責める。
実はこうした事例の大半は、自分や自分の所属組織(学校)の「アンコンシャス・バイアス」の影響を大いに受けている可能性があります。
そこで今回は、守屋智敬さんによる著「『アンコンシャス・バイアス』マネジメント─最高のリーダーは自分を信じない」(かんき出版、2019年)を頼りに、「個人」に影響を与えるバイアス例として、以下のバイアスに着目しながら、教育分野のバイアスを論じてみました。
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①ステレオタイプ脅威(Stereotype threat)
②自己奉仕バイアス(Self-serving bias)
③専門偏向(Professional deformation)
④サンクコスト効果(Sunk cost effect)
⑤バラ色の回顧(Rosy retrospection)
⑥ダニング・クルーガー効果(Dunning Kruger effect)
⑦インポスター症候群(Imposter syndrome)
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アンコンシャス・バイアスは、個人のキャリアや成長にとても大きな影響を与えるのです。
ご関心のある方は、ぜひご笑覧下さい。
引き続きよろしくお願いします。