信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室に関するブログです。

【連載】第9回「いい努力と悪い努力」(連載「働き方改革を『アンラーン』する」『内外教育』第7124号,2023年12月1日)

【連載】第9回「いい努力と悪い努力」(連載「働き方改革を『アンラーン』する」『内外教育』第7124号,2023年12月1日)

 
 今年度から、時事通信社の『内外教育』誌上で、「働き方改革を『アンラーン』する」と題した連載をさせていただいております。

 

第9回のテーマは、「いい努力と悪い努力」です。

 

どんなに努力をしていても、誤った方向に努力をし続けることは不幸なことであると同時 に、切ないことです。「時間=努力」の錯覚から抜け出す必要があります。

 

では、「いい努力」とは、どのようなものでしょうか。
今回は、コンサルタントの山梨広一さんによる著「マッキンゼーで25年にわたって膨大な仕事をしてわかったいい努力」(ダイヤモンド社、2016年)を頼りに、「いい努力」と「悪い努力」について論じました。

 

物事に対する「問い」が変わると、物事の捉え方、すなわち、「見方」が変わり、「見方」が変わると、自分を取り巻く環境の「見え方」も変わってきます。そして、景色の「見え方」が変わると、そこで共に時間を過ごす他者との「関係性」にも変化が生じてきます。さらに、 自分と他者との「関係性」が変わると、自分の「味方」も自然と増えてくる場合が多いのではないでしょうか。すなわち、自分自身の成長は、自分の所属組織の成長にも好影響を与え得るのです。  

 

他方、「悪い努力」が続くと、成長を実感する機会も乏しくなり、努力すること自体に価値を見いだすことが難しくなります。また、自暴自棄な気持ちにもなってしまうことでしょう。そして、場合によっては、職務満足感の低下や所属組織に対する愛着の低下、離転職の意思の増大、疾病休業の頻度の増大など、メンタルヘルス問題にまで連なる問題群を浮上させることになりかねません。

 

普段あまり意識していないであろう自分自身の努力の「質」に焦点を当てて、問い直してみてください。

 

--------------------------------------

① 自分の努力は、「成果」につながるものとなっているだろうか。

② 自分の努力は、「目的」が明確なものになっているだろうか。

③ 自分の努力は、「時間軸」を的確に意識しているものになっているだろうか。

④ 自分の努力は、「生産性」が高いものになっているだろうか。

⑤ 自分の努力は、「充実感」を伴うものになっているだろうか。

⑥ 自分の努力は、「成功パターン」が得られるものになっているだろうか。

⑦ 自分の努力は、「成長」を伴うものになっているだろうか。

⑧ 自分は、「間違った努力」をしていないだろうか。

⑨ 「悪い努力」を「いい努力」にシフトしていくためには、何が必要だろうか。

⑩自分にとって、仕事とは何であろうか。
--------------------------------------

ご関心のある方は、ぜひご笑覧下さい。

引き続きよろしくお願いします。