信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【連載】第8回「効率と効果」(連載「働き方改革を『アンラーン』する」『内外教育』第7118号,2023年11月7日)

【連載】第8回「効率と効果」(連載「働き方改革を『アンラーン』する」『内外教育』第7118号,2023年11月7日)

 

 今年度から、時事通信社の『内外教育』誌上で、「働き方改革を『アンラーン』する」と題した連載をさせていただいております。

第8回のテーマは、「効率と効果」です。

 Good Intension doesn’t Work. Only Mechanism Works.(「善意」は働かない。働くのは「仕組み」だ)

これは、Amazon.comの共同創設者ジェフ・べゾスが、よく口にしていたフレーズのようです。

「アマゾンのすごいルール」( 宝島社、2018年)の著者で、企業成長支援アドバイザーの佐藤将之さんは、これを「『善意』だけで、従業員は働き続けられない。『仕組み』の土台の上で、従業員の『善意』が発揮される」とのニュアンスで紹介されていますが、学校の場合はいかがでしょうか。

残念ながら、戦後日本の教育システムは、教員の「善意」に頼り、献身性という名の自己犠牲によって支えられてきた側面がある点は、否定できないでしょう。しかし、もはや「善意」だけでは個人として働き続けることが難しい、また、組織としても持続可能な取り組みを続けていくことが難しい状況にあります。

「善意」にあふれる職場は、私たちを感動の旅へと誘い、美しい思い出づくりに貢献してくれるかもしれませんが、そこで働く多種多様な事情(持病、子育て、介護など)を抱える同僚にとっては、決して居心地のよい、働き続けたい職場とは言い難い可能性が高いです。持続可能性に乏しい職場は、誰かにとって、優しくな
いのです。

 

第8回では、韓国の心理学者であるイ・ミンギュ『『後回し』にしない技術─『すぐやる人になる20の方法』をたよりに、「効率」(Efficiency)と「効果」(Effectiveness)の違いの観点から、働き方をアンラーンしてみました。

 

ご関心のある方は、ぜひご笑覧下さい。

引き続きよろしくお願いします。