【書評】荒井英治郎「樋田大二郎・樋田有一郎『人口減少社会と高校魅力化プロジェクト―地域人材育成の教育社会学』」『月間高校教育』2018年9月号,学事出版
『月刊高校教育』2018年9月号に、
『人口減少社会と高校魅力化プロジェクト―地域人材育成の教育社会学』の書評を書かせていただきました。
これまでの地方郡部の教育に対する「通説」は、①意識・能力の高い教員によって行われる特徴的な教育実践は単発に終わり、結果として教員の異動によりその実践は消える、②また、教育の成果が上がれば上がるほど、優秀な生徒は地元を去っていく、というものでした。
これに対して、本書は、教育社会学の方法論によって、今やUターン・定住促進・地域活性化・高校魅力化の先進地域となっている島根県の離島・中山間地域における高校魅力化プロジェクトを「地域人材育成」の観点から分析したものです。
本書を通じて、島根における高校魅力化プロジェクトの全体像を把握できるだけでなく、自身の学校の「過去」と「現在」を振り返り、「未来」を展望する機会を得るに違いありません。今後、パターン・ランゲージ(良い実践の秘訣を共有するための方法)の役割を担っていくであろう本書をぜひご一読ください。
人口減少社会と高校魅力化プロジェクト――地域人材育成の教育社会学
- 作者: 樋田大二郎,樋田有一郎
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2018/04/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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