信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【連載】第6回「不機嫌な学校とご機嫌な学校」(連載「働き方改革を『アンラーン』する」『内外教育』第7102号,2023年9月1日)

【連載】第6回「不機嫌な学校とご機嫌な学校」(連載「働き方改革を『アンラーン』する」『内外教育』第7102号,2023年9月1日)

今年度から、時事通信社の『内外教育』誌上で、「働き方改革を『アンラーン』する」と題した連載をさせていただいております。
第6回のテーマは、「嫌な研修と嫌な仕事」です。

今回は、吉田新一郎・岩瀬直樹『効果10倍の〈学び〉の技法─シンプルな方法で学校が変わる!』(PHP新書、2007年)で紹介されている「嫌な研修」を参考としながら、「嫌な仕事」の特徴を以下のように概括し、次の一歩に進めるためのアイディアを提案させていただきました。

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①「形式的な仕事」
→その仕事の本質的な意味を問い直していくこと

②「押しつけられた仕事」
→個人の裁量権に着目して、主体的に取り組める仕事の機会と範囲を増やしていくこと

③「時間にゆとりがなく、忙しい仕事」
→時間的にも精神的にもゆとりを持って取り組める環境条件の在り方に着目すること

④「一部の人に負担がかかっている状態」
→仕事の「見える化」を通じて、全体像を俯瞰できるようにした上で、納得感とセットで適切な役割分担を行っていくこと

⑤「本音で話し合うことができない状態」
→対話をベースとした心理的安全性が確保された職場づくりの在り方に着目すること

⑥「見通しが持てない状態」
→実現すべき目的を改めて確認した上で、時間軸からバックキャスティングしていく思考法を学び実践してみること

⑦「誰かに任せてしまい、受動的な仕事」
→情報共有の仕組みを組織内で整えた上で、チームで仕事を進めていく成功体験を積み重ねていくこと

⑧「理想論で終わってしまう」
→理想と現実をつなぐ取り組みの推進や両者の接続を阻むボトルネックの存在の意識化を図ること

⑨「不満は言うが、自分は推進しない」
→「不満」の構成要素の一つである「不安」の存在を認識した上で、当事者意識を持つことの必要性を愚直に言語化していくこと

⑩「その場限りで終わってしまい継続しない仕事」
→単発の取り組みに組織がまい進することのリスクを共有した上で、持続可能な仕組みづくりのメリットを構造的に理解していくこと

⑪「何のためにやっているかわからない仕事」
→「目的思考」や「本質思考」を軸に据えながら、仕事の意味を問い直しつつ、その認識の刷新を図ること
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ご関心のある方は、ぜひご笑覧下さい。
引き続きよろしくお願いします。