信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【論考】荒井英治郎「不登校現象が投げかける問いー不登校は、問題行動なのか」『教職研修』教育開発研究所,2023年4月号

【論考】荒井英治郎「不登校現象が投げかける問いー不登校は、問題行動なのか」『教職研修』教育開発研究所,2023年4月号

 

教育開発研究所の『教職研修』(2023年4月号)に「不登校現象が投げかける問いー不登校は、問題行動なのか」と題した論考を寄稿いたしました。

 

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「社会の映し鏡」としての不登校は、もはや特定個人の例外事例でなく、教育・福祉の機会保障のあり方に連なる公共的なテーマとして認識し、学びや居場所を具体的に創造していかなくてはならない状況にある。この現象を「親のエゴ」として一蹴したり、「本人のわがまま」として片づけてよいはずがない。

 不登校は、「問題」行動なのか。誰にとって「問題」で、どのような意味で「不都合な真実」なのか。問題は「子ども」なのか。むしろ、「大人」に問題はないのか。不登校の子をケアすることは「甘え」を助長することになるのか。現状に手をこまねいている教育関係者こそが、これまでの子ども観・教育観・学校像にあぐらをかき、「甘えている」可能性はないか。

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「学校」それ自体を安心・安全で魅力あふれる場所にしていく努力はもちろん必要ですが、すべての子どもにとって安心・安全な「学習環境」を構築し、子どもの「学び」を保障していくという視座の転換(マインドセット)が求められていると考えています。

 

「学校」の魅力化から「学習環境」の魅力化へ。

 

今回は、比較的メッセージ性の強い内容の文章を執筆させていただきましたが、次年度以降リスクを負いつつ、制度設計や政策実務にもコミットしていけたらとも考えています。

なお、「不登校の論点」ということで次号以降も連載が続くようですので、ご関心のある方はぜひご覧ください。
https://www.kyouiku-kaihatu.co.jp/bookstore/products/detail/102304