信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【講演】「学校における不登校支援のこれまでとこれから─学校は、誰の、何のために、何をするのかー」@塩尻市教育委員会モデル校 塩尻市立広陵中学校「多様な学びについて、みんなで考えよう」

【講演】「学校における不登校支援のこれまでとこれから─学校は、誰の、何のために、何をするのかー」@塩尻市教育委員会モデル校 塩尻市広陵中学校「多様な学びについて、みんなで考えよう」

 

2022年11月21日、長野県教育委員会の学びの改革実践校でもあり、塩尻市教育委員会のモデル校でもある塩尻市広陵中学校が開催した「多様な学びについて、みんなで考えよう」の場で、「学校における不登校支援のこれまでとこれから─学校は、誰の、何のために、何をするのか」と題した講演をさせていただきました。

 

不登校は「問題」なのか、②問題なのは、果たして「子ども」なのか、③「大人」には、問題はないのか。こちらの三つの問いは、私が冒頭に参加者の皆様に投げかけさせていただいた問いです。

 

私たち教育関係者は、「できない理由」を探すことが、どんどん得意になっていないでしょうか。既存の制度でさえ「完璧」なものではないにもかかわらず、新しい取り組みに対しては初めから「完璧さ」を求めてはいないでしょうか。生きづらさを感じる不登校児童生徒に対するケアは「甘え」でしょうか。手をこまねいている私たち教育関係者こそが、これまでの教育観・指導観・子ども観に「甘えている」可能性はないでしょうか。

 

塩尻市広陵中学校の教職員がチャレンジしている実践(①校内中間教室の改革、②ネット担任の導入)はすぐに成果が出るものではないかもしれませんが、高い壁を前に尻込みしがちな私たちに「専門職たる教師として、このままでいいのか」、孤軍奮闘している教職員に「同じ思いで試行錯誤を続けている仲間はいる」という強いメッセージを伝えてくれるのではないかと思います。

 

改めていうまでもなく、教育は「未完のプロジェクト」です。

 

引き続き、微力ながらお手伝いできればと思っております。