信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【松本市教員研修計画の策定】

松本市教員研修計画の策定】

 

座長を拝命しております「松本市教員研修計画検討会議」の全5回にわたる会議が終了しました、

 

研修権を有する中核市松本市では、教育大綱や教育振興基本計画を踏まえながら、「子ども・教師の育ちと学びを支える教職員研修」を行っていくことを通じて、「子どもの「すがた」と「学び」を問い続ける教師」の後押しをしていきます。

コンセプトにご賛同いただける方、是非ご協力ください。


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1 願う教師像

「子どもの「すがた」と「学び」を問い続ける教師」
〇子どもの尊厳と人権を尊重する教師
〇子どもの主体性・多様性・創造性を引き出す「学びの伴走者」としての教師
〇子どもとともに成長の喜びを感じ、仲間とともに学び続ける教師

2 教職員研修の目的

「子ども・教師の育ちと学びを支える教職員研修」
〇子どもの尊厳と人権を尊重しながら、子どもを主人公としていく松本市の教育の本質を追求し、参加者の子ども観の問い直しと深まりを目指します。
〇日々の実践や課題を持ち寄り対話することを通じて、参加者の主体性や関係性の問い直しと深まりを目指します。

3 教職員研修の目標

松本市独自の教職員研修の実施にあたっては、次の各目標に基づき、研修を行っていきます。

(1)キャリアステージに応じた研修と現代的な教育課題に対応した研修
・キャリアステージに応じた研修のほか,授業改善や,特別支援教育など,現代的な教育課題に対応した研修を実施していきます。

(2)研修ニーズの把握と研修の柔軟な企画・立案
・市独自実施のメリットを生かし、教職員の研修ニーズを多様な方法によって把握し、柔軟に研修の企画・立案に反映させていきます。

(3)多様な方法による研修と学びのコミュニティの形成
・講義型研修のほか、参加型ワークショップや参加者自身による研修企画の創出等、教職員が主体的に参加し、学びのコミュニティを形成できるよう、研修の実施形態を工夫していきます。

(4)教職員の働き方を考慮した効果的な研修
・研修の方法・頻度・時間帯を工夫し教職員が参加しやすい効果的な研修を実施していきます。

(5)指導主事等による学校訪問
・学校のニーズに応じて指導主事等による学校訪問を行い、校内研修の充実を図っていきます。

(6)長野県教育委員会との連携
・研修は松本市での実施のほか長野県教育委員会実施の研修も取り入れていきます。また、研修の共同企画・開催等、県教育委員会との密接な連携を図ります。
(例:初任者研修、キャリアアップ研修Ⅰ~Ⅲ 職務別研修 等)


4 松本市が独自に行う教職員研修の重点

 松本市で独自に行う教職員研修では、これまで述べた通り「子ども観」「授業観・指導観」「教師像」「学校像」の4つの観点から実践を問い直し、教職員がそれぞれの「観・像」を深めていくことを重視しています。実際の研修の構想に当たっては、下記のように、各観点に関わる具体的な内容を重点的に扱っていきます。

(1)「子ども観」の問い直し
〇多様な子どもの自分らしさを尊重した学びのあり方に関する研修
・子どもの見方、子ども理解を深めるために専門家から知見を学ぶ研修
・インクルーシブな教室環境・授業づくりに関する研修
・子ども理解を深め、特別支援教育における学校全体の指導力・チーム力を高める研修
・すべての子どものありようを受けとめ認め、はぐくむ子ども観を深める研修 等

(2)「授業観・指導観」の問い直し
〇すべての子どもの資質・能力を育む授業づくりのあり方に関する研修
・一人ひとりの人格を尊重し互いを認め合うインクルーシブ教育の推進に関する研修
SDGsと松本学(地域素材の教材化)の推進に関する研修
・テーマ別授業づくり研修
(主体的・対話的で深い学びの実現、個別最適化した学びと協働的な学びの実現、子どもの「問い」を生かした授業づくり、非認知的能力を重視した授業づくり、教具・文具としてのICTを活用した授業づくり、シティズンシップ教育、「遊び」「体験」をベースに置いたカリキュラムづくり 等)

(3)「教師像」の問い直し
〇「学びの伴走者」としての教師のあり方に関する研修
・人権感覚を磨く研修
・先哲に学ぶ研修
・危機管理研修、学校における働き方改革に関する研修
ファシリテーションおよびコーチング研修 講師サポート研修 等

(4)「学校像」の問い直し 
〇子どもにとって魅力ある学校づくりとマネジメントのあり方に関する研修
・学校教育目標具現のための教育課程編成(カリキュラム・マネジメント)に関する研修
指導力・チーム力を高める校内研修・校内研究推進研修(主に教務主任・研究主任対象)
・リーダーシップ・フォロアーシップ研修(主に管理職対象)
・ミドルリーダー研修(主に中堅教員対象)
・幼保小中連携のあり方に関する研修 等
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