信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【書評】荒井英治郎「キース・ソーヤー(月谷真紀訳)『クリエイティブ・クラスルーム』」『月刊高校教育』2022年3月号

【書評】荒井英治郎「キース・ソーヤー(月谷真紀訳)『クリエイティブ・クラスルーム』」『月刊高校教育』2022年3月号

 

このたび、『月刊高校教育』からのご依頼で、キース・ソーヤーの『クリエイティブ・クラスルーム』の書評を執筆させていただきました。

https://www.gakuji.co.jp/script/magTop.php?fieldcd1=810

http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=2301

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①授業者は、構造が明確で理路整然と並ぶ教育内容を首尾よく伝達する。
②あらかじめ例示されている教材を使って教えるべき内容を計画通りに進行することこそが授業である、という認識が身体化している。
③学習者は、全員が同じ内容を同じ順番で学ぶことを当然視する。
④テストでは教育内容に関する表層的な事実と手続きに関する記憶の定着率が測定され、教育効果の指標となる。
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こうした教育は、教授者は主導権を握り続け、学習者は受動的でいられるため、両者に「安心感」を与えます。ただ、単純な認知処理を続けるだけで、創造性は身につくのか、疑問なしとしません。

 

本書は、授業をめぐる必然ともいえる「悩ましさ」に対して、学習科学の研究成果と豊富な事例(小学校から大学まで)を織り交ぜながら、創造的な授業の設計図を提示するものとなっています。

ご関心のある方は、ぜひご一読ください。

貴重な機会をどうもありがとうございました。