信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【書評】荒井英治郎「白井俊『OECD Education2030プロジェクトが描く教育の未来』」『月刊高校教育』2021年4月号

【書評】荒井英治郎「白井俊『OECD Education2030プロジェクトが描く教育の未来』」『月刊高校教育』2021年4月号

 

2021年4月号の『月刊高校教育』に、白井俊『OECD Education2030プロジェクトが描く教育の未来』」ミネルヴァ書房、2020年の書評を執筆させていただきました。貴重な機会をありがとうございます。

 

他者に何かメッセージを「伝える」ためには、想いだけでは不十分で、「伝わる」言葉を自覚的に選択していく必要があります。

 

「伝える」と「伝わる」とは、必ずしもイコールではないということです。

 

では、今次の改訂学習指導要領が放つメッセージは、誰に、どの程度、伝わっているでしょうか。

 

本書は、OECD東北スクール・プロジェクトを契機として2015年にスタートした「OECD Future of Education and Skills 2030プロジェクト」に、OECD文部科学省の両方の立場から関与した著者がその全体像を解説したものです。

 

本書では、OECDが変革をもたらすキー・コンピテンシーを育むためのカリキュラムの分析を行ってき過程で得られた知見の紹介が丁寧になされています(コンピテンシー・スキル・リテラシーの違い、主体性・自立性・エージェンシーとの違い、リテラシーとニューメラシーの違い、「ラーニング・コンパス」、「エージェンシー」の概念など)

 

OECDのメッセージと私たちの認識枠組にボタンの掛け違えはないか、ぜひご一読いただけたらと思います。