信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【書評】荒井英治郎「書評:内田良・広田照幸・高橋哲・嶋崎量・ 斉藤ひでみ『迷走する教員の働き方改革―― 変形労働時間制を考える』『月刊高校教育』2020年7月号,学事出版

荒井英治郎「書評:内田良・広田照幸・高橋哲・嶋崎量・ 斉藤ひでみ『迷走する教員の働き方改革―― 変形労働時間制を考える』『月刊高校教育』2020年7月号,学事出版

 


『月刊高校教育』の2020年7月号に、『 迷走する教員の働き方改革―変形労働時間制を考える』( 岩波ブックレット)の書評を執筆させていただきました。

 


ダイエットのポイントは、筋肉を落とさず、 脂肪を落とすことにあります。これに対して、 学校はあらゆる業務を半ば強制的に受け入れ、業務という名の「 脂肪」が「贅肉」に変わり、「筋肉」 を生かした教育実践が支障をきたしつつあります。 現場教員の息遣いはフルマラソン状態であり、 このままでは稀有な資質・能力である「筋力」までもが失われ、「 リバウンド」や「リタイヤ」 という結果も現実を帯びてきています。


これに対して、本書は、教員の働き方に関する制度の歴史・現状、 そして、2019年の給特法改正の中核とされ、 今後自治体単位で導入・運用可能となる「 一年単位の変形労働時間制」の課題を論じたものとなっています。


自分の働き方を規定する法制度を吟味し自分のキャリアと向き合う 機会を保障していく道筋を探ることは、 子どもと向き合う機会の確保と教育活動の充実という、 次のステップに繋がっているはずです。

 

教育関係者はもちろんのこと、保護者や地域の皆様も含めて、 本書をお読みいただき、 国レベルで行われている教員の働き方改革の一端を知っていただく 機会となればと思っております。


以下は、出版社のURLとなります。


https://www.iwanami.co.jp/ book/b498531.html