信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【いただきもの】松本県ヶ丘高等学校3年○○○○『桜草子』(令和2年4月1日)

【いただきもの】松本県ヶ丘高等学校3年○○○○『桜草子』(令和2年4月1日)

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「暗唱して走り回れるくらい愛着があります。」(筆者より)
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ある日、大学のメールボックスに一つの封筒が。
開封したところ、封筒の中には、松本県ヶ丘高等学校の現役高校生からの作品『桜草子』が入っていました。


探究活動の一つの成果として、私にも送付してくれたようです。あまりの嬉しさに早速読ませていただきました。

「まえがき、探究活動の目的」は、以下の通りです。

感動のあまり全文打ち込みました。どうもありがとうございます。


「問い」と向き合い続ける習慣や姿勢を習得する究極のキャリア教育としての「探究」。
その過程で多様な他者と協働することが、等身大の「自分」と向き合う機会となります。
さて、彼はこれからどのような将来を展望するのでしょうか。楽しみにしかありません。


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この本を手にとってくださりありがとうございます。松本県ヶ丘高校国際探究科三年○○○○と申します。

 松本県ケ丘高校では課題探究の授業があり、一人一つのテーマで、自分が疑問に思ったり、深く研究したいと思ったりしたことについて探究学習をしています。僕は探究を始める際、日頃から考えていた「高校生の古典嫌い」に目をつけました。予備調査でアンケートをとったところ、半分以上の生徒が「古典が嫌い」と答えたのです。古典が大好きな僕としては非常に残念で、もっと古典に親しんでもらいたい!と強く思いました。そこで、なぜ古典に苦手意識ができてしまうのかを考えたときに、

・古語で書かれた「昔」の文章、「昔」の場面設定であるから読みづらい
・古典を学ぶ意味を見出しづらい
堅苦しい話は面白くない

などの点があるのではないかと仮設を立て、それなら、「高校生が共感しやすく、古典を学ぶ意味を考えられる『現代』の話」を、古語で、自分で書いて、みんなに読んでもらえばよいのでは?と考え、この物語を書くという探究に至りました。
タイトルは「高校生を個展好きにする歌物語を書く!」です。

なお、古語で書いたとはいえ、これを教材として読んだり、テストに出したりするのは「古典」の授業の本質とはずれてしまうので、この物語を古典入門のような、導入の読み物として、古典への関心、興味を高めてもらえたらという思いで作りました。
 完成後、国語科の先生方にたくさんの添削とアドバイスをいただき、本校探究科の生徒八十名に読んでもらったところ、総じて高評価が得られ、プレゼン発表でも校内賞をいただくことができたため、これを校内に留めず、松本市、長野県、日本全国の高校生に読んでもらいたいと考え、この本をつくり、各校の図書館に置かせていただくことになりました。何度も何度も書き直して作った、声に出して読んでも、品詞分解をしても、何をしても楽しく、古典を好きになってもらうことができる、自分でも大好きな物語です。暗唱して走り回れるくらい愛着があります。ですので、この物語を読んでくださったあなたが、古典に興味を持ち、古典が大好きになり、それを伝承していって下さったら、本望です。
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