信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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栃木県業務改善推進者研修

本日は、栃木県総合教育センターで開催された「 業務改善推進者研修」の実践報告会を傍聴させていただきました。


栃木県は、先生の幸せ研究所(代表:澤田真由美さん) のアドバイスのもと、県内20校(小学校7校、中学校7校、 高等学校4校、特別支援学校2)をモデル校として指定し、 各モデル校の業務改善の中核となる職員(ミドルリーダー等) に対して継続的に合計5回の研修を実施し、 業務改善の取り組みを支援するという方法を採用しているようです 。今回が第6回目、最終回です。


個人的には、取り組んだ内容だけでなく、発表者が「 自分自身が業務改善を通じて学んだこと」 を話されていることが印象的でした。


一口に学校と言えども、学校は多様です。
豊富な事例から多くを学ばさせていただきましたが、
各学校において「効き」は異なりますが、 どのような取り組みが最大公約数としてミニマムといえるか、 考えていきたいと思っています。貴重な機会を、 どうもありがとうございました。


「時間予算ワークショップ」、 参考にさせていただこうと思います。


以下、報告されていた20校分の取り組み例です(長文)。


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●小学校
・職員会議での説明時間の自己申告制、ペーパーレス会議の導入
・毎週月曜日の放課後子ども教室の終了時奥の繰り上げ
・ PTA運営委員会の事前会議の実施場所を校内の会議室から地域の 公民館へ変更
・次年度に向けた見直し(運動会の短縮化、 夏季休業中のプール開放、家庭訪問を「家庭確認」に変更、 正門前の登校指導をPTAに移管)


●小学校
・業務改善=学校行事等の見直し、働き方の見直し、 教育委員会との働き方ワークショップの実施
・意識改革=職員による働き方の紹介( 職員一人一人にアンケートを実施)


●小学校
・業務の役割分担、実施時期の見直し( 給食の配膳指導は担任以外が実施、下校指導の当番制の導入、 月1回の安全点検を昼休みに実施)
・業務の簡素化(週案の反省欄の自由記入化、 コメントを記入する掲示物、作品等の明確化、 職員用PCの管理方法の見直し)
・週2日の「午前中5時間授業」の計画


●小学校
・「働き方改革推進委員会」「業務改善プロジェクト」 の校務分掌への位置づけ
・「業務改善アイデアカード」 等によるボトムアップ方式の働き方改革の推進
・学校行事(運動会、家庭訪問、宿泊学習等)や学校運営( 通信票、日課、朝の活動、打ち合わせ等)、一般業務(学校日誌、 復命書、電話対応時間等)に関する改善を行い、 より効率的な業務になるよう検証を実施

 


●小学校
・業務の効率化(サーバー内のフォルダ・ファイルの整理、 少し離れた事務室にあったFAX複合機を職員室に移動、 特別教室の鍵の管理方法の見直し、学年集金(共同購入費) 等の口座振替の準備
・業務の簡素化(個人懇談を希望制に変更、 週案の反省欄への記入を廃止)
・意識改革(月に1回の「セルフ定時退勤日チャレンジ( 各自が設定)」の導入、ワークショップの実施〜 時間を生み出す話し合い)

 


●小学校
・業務改善プロジェクトチームの立ち上げ
・業務の簡素化・効率化(ちらし配布、 朝の打ち合わせの時間短縮、管理当番の業務、作品・ 掲示物へのコメント記入、通知表、職員会議の時間短縮、週案)
・次年度に向けた見直し(家庭訪問、学校公開、授業参観、遠足、 学校文集)
・全教職員で「仕事時間の記録」を実施。 1学期と2学期の結果を比較し検証


●小学校
・朝の打ち合わせ用紙への事前記入
・共有フォルダの整理
・月ごとの出退勤のデータをプリントして教職員に配布
・自己申告制の定時退勤日(月1回)の実施
・職員室のペーパーレス化の推進( 連絡程度のものは掲示板への掲示のみ)
・改善意見ボードの設置


●中学校
・働き方の改革推進委員会の立ち上げ
・職位会議を1時間程度に短縮(資料印刷は事務部に依頼、 事前配布)
・朝の打ち合わせを週2回に短縮(PC掲示板の活用)
・電話対応の徹底(19時以降は電話をかけない、取らない)
・週案、副名所の記入を簡略化(反省記入は任意)
日課の変更(全体を10分繰り上げ、4- 9月の下校時刻を最長で18時まで)
・行事の変更(2年生の立志記念行事、スキー合宿を廃止)
・家庭確認(家庭訪問)なくし、夏休みに保護者懇談を行う


●中学校
・夏季休業中のプール当番廃止(体育の課題を出さず、 部活動単位でプールを使用)
・職員会議の見直し(協議と連絡の明確化、資料の事前配布、 説明時間の短縮)
・共有フォルダへのデータ保存の徹底(データの共有化)
・部活動の適切な運営
・ICT支援員の有効活用(「ICTサポート連絡票」 への事前記入)
・定時退勤日(毎週水曜日18時)の設定
・PTA組織の見直し


●中学校
・構内研修の実施(個人で普段意識していること、 業務の中での愚痴、不都合なこと、 全体として時間対効果が低いものを色分けして付箋に書き、共有)
・会議・研修のスリム化を図るためのアイデアを出し合い、 運営委員会で検討
・時間予算ワークショップの実施
・物の配置や教員の動きの見直し


●中学校
働き方改革推進委員会の設置
・外部からの作品募集、コンクール参加依頼を洗い出し、 必須のものを明確化
・定時退勤日(毎週水曜18時)の設定
・「帰ろう」の声かけの実施
・月1回、校内行事のない水曜日の設定
・部活動平日2時間の活動の厳守
・自分の担当教室の戸締りは責任をもって行うことの徹底( 日直への配慮)


●中学校
・「働き方改革2019」(目標:時間外労働月60時間以内) の作成、周知
・意識改革(Society5.0について知る、 総務省HPオフィス改革の取組参照、職員室の机上・机中・机下・ パソコンないの整理整頓、報・連・相から相・報・連へ)
・ICTの利活用(校務用パソコン・ スマホを活用した会議の実施、急な指示事項、情報共有における「 +メッセージ」の有効活用、授業でのICTの利活用を推進)

 


●中学校
・行事・業務の精選(部活動やクラスマッチの朝練習の廃止、 運動会の種目を一部削減、部活動の練習日の削減)
・構内研修でのアイデアの実行(登下校指導の当番制、 週案の反省欄記入を任意に)
・PTA活動の精選(夏季休業中の町内懇談会を来年度から廃止、 長期休業中の全保護者による巡視活動を冬季休業から廃止、 1月中旬のPTA新年会を今年度から廃止)

 


●高等学校
働き方改革推進委員会( 企画調整委員会メンバーで構成した25名)の設置
・状況、課題等を把握するための職員アンケートの実施( 働き方改革推進委員会で整理、共通理解、 次年度に改善できるものの洗い出し)
・打ち合わせや会議の進行についての見直し( 朝の打ち合わせで板書してある連絡事項は読み上げない、 職員会議においても連絡事項については、 極力説明を省略し簡素化)


●高等学校
働き方改革推進委員会(構成員は企画委員会)の設置
・下部組織(若手中心のWG)の設置(調査書発行の簡略化、 Classiと白ノートの使い分け、 TeamsやSharepoint掲示板の有効活用、 会議資料等の電子化、定期テスト期間中の休暇取得推進、 働き方改革アンケートの研究開発)

 


●高等学校
・自己評価シートの実施
・文書決裁の省力(自動)化( 教務主任の箱に文書を入れれば第1教頭まで自動的に決裁→ 個人のレターケースに戻された文書を校長、事務長に持参する)
・職員会議での報告事項の簡略化
・働き方推進委員会の設置、委員会からの提案、各部で検討

 


●高等学校
・全職員に業務改善アンケートを実施、 アンケート結果を職員の掲示
・「働き方改革プロジェクト」(校長・教頭・事務長・主幹・ 教務主任・各部部長・各学年主任・組合分会長)において、 アンケート項目ごとに検討する担当部署を決定
・各部署で検討した結果を「働き方改革プロジェクト」で検討
・行事等の廃止、変更、追加などの方針を2月中に決定する予定

 


●特別支援学校
・働き方検討委員会の設置、業務改善に向けてのアイデアの共有、 検討
・昼食(給食)時間や校内実習時の担当者の調整
・文書形式の簡略化(家庭訪問や進路関係の報告書はA4、 1枚箇条書き、研修許可願・研修報告書(各1枚) は両面1枚に収まる様式に変更)
・長期休業中の勤務計画を紙媒体からパソコン入力に変更

 


●特別支援学校
・校内実態調査を実施、業務改善案を募集
・会議等の見直し(協議は全員、連絡は学部ごと、 1時間を超過したら原因を記録)
・業務の簡素化・効率化(朝の打ち合わせを週2回から1回へ、 家庭訪問は次年度から夏季休業中に、 教室掲示分の各種たよりは未配布、教職員の結核検診は午後)
・小・ 中学校運動部の見直しに向けたプロジェクトチームの立ち上げ
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