「若者」とは?

今日は合間合間に懇談会が2本。
短時間ではありますが、非常に興味深く話を伺えました。

途中、学会年報の発送作業を行いまして、
後ほど執筆者の皆様方には年報が届くものと思われます。
もうしばらくお待ち下さい。


明日は、集中して授業準備に取り組むつもりです。




【本日の一手】

現代の高校生は何を考えているか―意識調査の計量分析をとおして―

現代の高校生は何を考えているか―意識調査の計量分析をとおして―

某媒体で書評として取り扱うことになったもの。
以下はそのメモ。

フリーターや非正規雇用の問題が政策課題化することで、その現象は一方的に若者側(個人)に起因するものではなく、社会構造上の問題であることがようやく認識されるようになってきた。

しかし若者に対するイメージや若者特有の文化は若者を揶揄する言説として多用される傾向にあり、若者に対する社会の眼差しは厳しくなるばかり。

上記社会状況は、「失われた10年」を経て若者の意識がいかなる変容を遂げたかといったシンプルな問いに対する回答が必ずしも明示されてこなかったことと無関係ではない。

これに対して現代の若者(高校生)の意識変容の解明を試みたものが本書。


分析対象とされたデータは、2001年福岡調査、2007年福岡調査、2007年大阪調査、そして各調査データを統合したものを含め合計5種類で、2001年から2007年へといたる6年間の高校生の意識変容のあり様を析出するものとなっている。

以下は、結果概要のいくつか。。


・高校生の規範への同調性は高くなっており高校生は「お行儀よく」なっている

・全域的なものとは言えないが高校生の友人関係の量的希薄化は起きていない反面で質的希薄化の趨勢が見られる

・友人の数が少ない生徒は友人関係をもつこと自体から「撤退」している可能性があり満足度の低い消極的なものとなっている

・余暇活動や社会奉仕活動など私的領域活動に対する関心が弱まっている

・私生活優先主義・起業志向・転職志向が弱まる一方で定職志向が強まっている

・高校生の社会観は保守化傾向にあるが、それは政治的有効性感覚ではなく脱政治的色彩を帯びた保守意識である



本書は、高校生の意識を、規範意識(第1章)、友人関係の希薄化(第2章)、モバイル世代のパーソナリティ(第3章)、進路選択・ライフスタイル・職業観(第4章)、社会観・政治的態度(第5章)、ジェンダー(第6・7章)など多種多様な観点から計量的に分析することを通じて、これまで流布されてきた高校生に対するイメージの「虚像性」を指摘するとともに、高校生の実像描写に貢献し得る多数の知見を提出するものとなっている。


下記もご参照下さい。

現代高校生の規範意識―規範の崩壊か、それとも変容か

現代高校生の規範意識―規範の崩壊か、それとも変容か