信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【ご報告】「塩尻市若者支援プラン」の策定

【ご報告】「塩尻市若者支援プラン」の策定

 

昨年、座長として関わらせていただきました「塩尻市子ども・若者応援協議会」で検討をしてまいりました「塩尻市若者支援プラン」が2022年3月に策定され、このたび情報が公開されました。

https://www.city.shiojiri.lg.jp/soshiki/43/22508.html

 

定量的調査」と「定性的調査」の両方を行い、塩尻市の状況を踏まえた上で計画策定を行いました。他の自治体でも同様の傾向があるものと思われます。ぜひ若者の支援のあり方を考えていただく、参考になればと思っております。

 

以下、塩尻市の若者を取り巻く現状の概括となります。

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[塩尻市若者支援プラン]

現状:ひきこもりは、表面化しにくく、実態の把握が難しいため、支援につながっていない場合が多くある。 【各種データより】 •国の調査によると、15~39歳のひきこもり者は全国で54.1万人と推計されており、塩尻市の人口で計算した場合、268人と推計されています。 現状:不登校、就活・就業の挫折等のきっかけにより、ひきこもりは若年期に発生する傾向がある。 【各種データより】 •15~39歳のひきこもりは若い時に発生している傾向にあり、24歳までが約8割となっています。また、15~3歳のひきこもりになったきっかけは不登校、就活・就業 の挫折が多くなっています。 現状:抱えている困難の状況が様々であり、支援の方法も一様ではない。 【各種データ・支援者ヒアリングより】 •15~39歳のひきこもり者の約75%が3年以上ひきこもり状態を続けている状況です。 •ひきこもり者の中には、少しアドバイスをするだけで社会復帰できる層もいます。 •早期支援の仕組みと合わせて、効果的にアウトリーチをしていくことが重要です。 現状:若者本人と同様に家族も悩み、支援を必要としている。また、家族の関わり方が若者の現在に大きな影響を与えている。 【各種データ・支援者ヒアリングより】 •支援対象者の家族は、専門家からの具体的なアドバイスを求めています。 •ひきこもり者の多くは親等に経済的に依存しています。 現状:相談では、課題に応じた様々なニーズに対応していくことが必要である 【支援者ヒアリングより】 •支援には、必要な情報を把握すること、適切な支援メニューにつなぐことが必要です。 現状:各相談機関での相談が、適切につながっていない現状がある 【支援者ヒアリングより】 •行政の相談窓口はハブとしての機能が期待されており、支援者との連携による支援のネットワーク強化が求められています。

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以下、若者の支援策の方向性と施策内容の概括となります。

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基本方針1 若者・家族への支援の充実
施策1 義務教育期から高校生期の切れ目のない早期支援の充実 義務教育期から高校生期までの切れ目のない支援体制を充実するため、中学校や高等学校等との情報連携とその仕組みづくりを推進します。 施策2 若者の日常生活・社会生活・経済的自立のための支援 元気っ子応援事業と連携し、18歳以降の継続した支援を行うほか、ひきこもり、ニート等の状況にあり、日常生活、社会生活、経済的自立のために困難を有する若者の支援を実施します。 施策3 家族への相談支援の充実 ひきこもり、ニート等の状況にある若者の家族が、その状況や接し方等を理解し、課題を抱える若者をサポートできるようになるための相談支援を推進します。

基本方針2 相談窓口の周知と連携体制の構築
施策1 相談窓口の周知と運営 ひきこもり、ニート等による様々な困難を解決したい若者とその家族が、ニーズに応じた相談支援を受けられるよう、相談窓口の周知、相談職員の資質向上等を推進します。 施策2 支援機関の連携体制の構築と地域との連携 ひきこもり、ニート等による様々な困難を解決したい若者・家族が、ニーズに応じた相談支援を受けられるよう、各支援機関の連携を促進するとともに、地域社会全体で支える仕組みづくりを推進します。
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