【論文】荒井英治郎「『法』のなかで生きる教員とは?―ブレーキ/モーターとしての法」井藤元編『ワークで学ぶ教職概論』ナカニシヤ出版,2017年4月,70-83頁。

東京理科大学の井藤元先生にお声掛けいただきまして、

第6章として、「『法』のなかで生きる教員とは?―ブレーキ/モーターとしての法」を執筆させていただきました。

 

http://www.nakanishiya.co.jp/book/b284569.html

 

 

本書は、「教師になるとはどのようなことか、理想の教師像なんてあるのか、
ワーク課題を通じて、教育についての価値観=「教育観」を磨いていこう」というのがモチーフとなっていまして、以下のような、様々な問いに向き合い、ワークを通じた学びの機会を提供するものとなっています。


私の章は、リードは、以下のとおりです。
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読者にとって「法」や「ルール」から連想されるイメージはどのようなものだろうか。
おそらく、束縛、窮屈、がんじがらめといったキーワードが先行するのではないか。
これは、ある行動を制約するという意味で、「ブレーキ」としての法と重なるものである。

ところが、法の機能はそれだけに留まらない。
法には、ある行動を促す、あるいは、目的達成のために自由を与えるような「モーター」としての機能もあることを忘れてはならない。 それでは、教員は、一般市民や他の職種と異なり、法からいかなる恩恵や制約を受けているのだろうか。
本章では、教育・学校・教員に対する保護者・地域住民・世論の「まなざし」という観点も意識しながらも、教職にまつわるヒト・モノ・カネ・情報を、「法」という窓から覗いてみよう。
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構成として、次のような「問い」を散りばめました。


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1.やっていいこと、いけないことの境界線

 

2.「生業」としての教職―身分と待遇  

①教員の採用は、どのように行われているのか?―「選考」による採用  

②教員の人事は、どのように行われているのか?―県費負担教職員と人事  

③教員の給与は、高いのか低いのか?―「魅力」と「魔力」

 

3.寝ても覚めても教員?―教育公務員として守るべき服務義務  

①勤務時間中に遵守しなければならない「職務上の義務」  

②勤務時間の内外を問わず遵守しなければならない「身分上の義務」  

③教員は「特別扱い」?

 

4.何のための処分か?—「分限処分」と「懲戒処分」 何のための「生業」か
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私の章はともかく、他の章は本当に読んでいて面白いだけでなく、
自問自答を繰り返すことができる工夫がいっぱい込められています。

ぜひ手にとっていただけたらと思います。


全体の章構成は、以下のとおりです。

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はじめに

第1章 教師に「なる」とはどのようなことか?
      ――創造としての生成変化

第2章 教師と生徒の「いい関係」とは?
      ――発展性と創造性をもたらす「教える‐学ぶ」関係

第3章 目指すべき理想の教師象なんてあるのか?
      ――歴史のなかの教師像と「教師」への期待の変遷

第4章 教員免許状は誰が授与するのか?
      ――教員免許状でみる教員養成史

第5章 教師になるために大学で学ぶべきことは何だろうか?
      ――教員養成におけるアカデミズムとプロフェッショナリズムをめぐって

第6章 「法」のなかで生きる教員とは?
      ――ブレーキ/モーターとしての法

第7章 教師の仕事とはどのようなものだろうか?
      ――教師の仕事の過去・現在・未来

第8章 教師はスーパーマンにはなれない?
      ――教師の多忙化とバーンアウト

第9章 「授業」とはいったい何が行われている場なのか?
      ――「スピーチ」と比較してみる「授業」の条件

第10章 コンピュータに教師のかわりはできる?
      ――教育の情報化

第11章 想定外の出来事にも準備はできる?
      ――教師の即興の技量としてのタクト

第12章 教師として学び続けることとは?
      ――教師の研修に求められる省察と協働性

第13章 保護者とつながるには?
      ――「モンスターペアレント」を考え直す

第14章 学校外部に頼るのは教師の敗北なのか?
      ――関係機関との連携にもとづく生徒指導のあり方

第15章 現代社会に生きる10代と向き合うには?
      ――10代と秘密から考える

第16章 子どもたちの「多様性」と向き合うには?
      ――子どもたちそれぞれの成長物語と教師

第17章 これからの教師の役割とは?
      ――ファシリテーターとしての教師
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ワークで学ぶ教職概論

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