信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室に関するブログです。

平成28年度のリフレクション

2016年4月に設置された信州大学教職支援センターでの仕事も2年目に入りました。

 

初年度から地域連携部門長を拝命し、地域における教育課題に真摯に向き合うことを心がけながら、学校や教員が地域とどのように連携・協働していくべきか、そして、大学が地域と学校にどのような支援をしていくことができるか、自転車操業ながらも、考え、行動し、また考え、行動するサイクルを繰り返しました。

 

おかげさまで、1年間で、就学前の保育支援、義務教育段階の授業支援・学習支援・居場所支援、高校段階の授業支援などを実施できました。
今年度も引き続き地域連携部門長をお引き受けすることとなりましたので、
教育委員会や私学を含む地域の学校や様々なタイプの教育機関等と連携しきたいと考えています。そして、今年度も既存のネットワークを大切にしながらも、全国的な事例の情報提供・共有も行っていけたらと考えています。


さて、昨年度は、教育面・研究面・社会貢献面、いずれの面においても、これまでの「自己規定」の枠を大きく飛び越えた1年間となりました。


教育面では、これまでの「教職課程」の担当科目の他に、「教養科目」も担当する機会を得ました。具体的には、長野県庁(現役の行政公務員)とのコラボレーション企画である「キャリアとしての公務員」、信濃毎日新聞者とのコラボレーション企画である「新聞で広げる社会の見方ゼミ」を担当し、大人数の大講義、少人数のゼミ形式など、様々なスタイルの授業展開を心がけました。これらの科目は今年度も継続の予定です。

 

 

研究面では、末松裕基先生が編者をされた『現代の学校を読み解く─学校の現在地と教育の未来』(春風社)において、「制度としての学校」というテーマで、幅広く教育現象と制度との関係を考える機会を得たり、山本龍彦先生・清水唯一朗先生・出口雄一先生が編者をされた『憲法判例からみる日本─法×政治×歴史×文化』(日本評論社)では、社会科学の他分野(憲法学、歴史学政治学)の先生方とご一緒させていただき、
中島宏先生と「『大学の危機』時代に考える学問の自由・大学の自治─東大ポポロ事件」との論考を執筆させていただきました。また、信州大学教職支援センター編の『教職研究』第9号では「日教組と人材確保法の成立過程」とのテーマで、丸山和昭先生と田中真秀先生と共同研究の成果をまとめさせていただきました。これまで単独での研究が主でしたが、共同研究のやりがいと難しさの両方を体験できました。

 

 

社会貢献面では、公職選挙法改正に伴う「18歳選挙権」という選挙制度の大転換の時期に、テレビや新聞等のマスメディアにインタビュー等で掲載いただく機会が格段に増えました。教育分野を主として研究してきた身としては、選挙管理委員会や議会事務局等の場での活動は当初予想していないことでしたが、私なりに世代論や「若者」に対するスタンスを明確に打ち出すようにしました。

 

この他、公民館の依頼で『市民教育講座』の講師の仕事をお引き受けしましたが、
市民の方々を対象とした講演の経験は乏しかったこともあり、自分自身のメッセージの伝え方のあり方を考えさせられました。

 

その他、長野市では教育振興基本計画の策定委員(部会長)を、長野県では夜間学級の設置検討委員会の委員長を拝命し、「アクション・リサーチ」の視点で行政実務のお手伝いをさせていただきました。

 

また、研修の仕事では、教員向けや教育委員向けの研修の他、学校事務職員を対象とした研修をお引き受けする機会を得まして、貴重な経験となりました。これについては今後研究としても着手していきたいと考えております。

 

プライベートでは、4月から長男が小学校に入学し、次男が幼稚園に入園となります。

平成29年度も、引き続き色々な場に足を運び学ばさせていただきたいと思います。宜しくお願いいたします。