平成25年度における独立行政法人教員研修センター委嘱事業の報告書が完成しました。
『独立行政法人教員研修センター委嘱事業 平成25年度教員研修モデルカリキュラム開発プログラム(教師としてのキャリアデザイン設計を意識した課題探究型初任者研修プログラム)信州大学,平成26年3月
研究テーマは、
「教師としてのキャリアデザイン設計を意識した課題探究型初任者研修プログラム」
です。
開発の目的と方法は、下記の通りです。
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●開発の目的
教育に対する社会的要請の多様化による教員の資質の向上が急務とされる中、初任者研修においても、OJT 型研修の充実や複数年継続研修等これまで以上に自主的な研修習慣を身につけられるような研修プログラムの開発や初任者個々の特性に応じたキャリアデザインに応じた研修プログラムの開発が求められている。
そこで、本開発プログラムでは、初任者の不安感を軽減し教師として自信を持って教育実践に取り組めるよう教育実践ポートフォリオシステムを開発し、初任者自身が自己評定を行うことで自己の特性に応じたキャリアデザインを設計し、自主的計画的に研修が行えるようになることを目的とした。
同時に、教育実践情報の共有システムの活用により、校内のみならず教育委員会単位でのOJT 型研修の充実を図り、初任者のみならずすべての教員の資質向上を図ることを目的とした。
また、研修期間を単年度から3年間の継続研修へと延ばし、各自の経験に応じて研修内容を深化させるカリキュラムを開発することで、自主的研修習慣を身につけ、授業にかかわる力量の向上と学級経営等運営にかかわる資質の向上を図ることを目的とした。同時に、長野市教育センターの指定研究の研究授業を中心に授業実践をデジタルコンテンツ化し、いつでもだれでもが授業分析や教材開発等にかかわる研修を可能にし、授業力向上を図ることを目的とした。
●開発の方法
長野市教育委員会と信州大学とでそれぞれ初任者研修を担当業務とする委員会を設置し、連携協力体制を整備し、カリキュラムと教材の作成を共同で行うとともに、信州大学の持つ教育資源を研修講座等に活用する方策を探った。
具体的には、長野市として実施してきたこれまでの初任者研修を見直し、初任者研修の目的・内容・方法・評価・システム等を教師のキャリアデザイン設計を意識したOJT 型研修へと発展させていく課題探究型の研修の実現という視点から3 年間継続の初任者研修のカリキュラムを開発した。
教育実践ポートフォリオシステムや教育実践情報の共有システムを開発し長野市教育センターを中心に、教育実践ポートフォリオの試行実証を行った。同時に、教育実践情報の共有システムを活用した初任者研修の校内研修のあり方を探るために、初任者の授業実践情報の共有を活かした初任者研修を実施した。
さらに、長野市教育センターの指定研究の研究授業を中心に授業実践をデジタルコンテンツ化し、授業分析に基づく授業改善の研修を試行し、自主研修や校内研修における授業力向上を図ることができるか探った。
プログラムの特徴は、下記の通り。
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教育実践ポートフォリオを活用し、教師としてのキャリアデザインを設計させることで、時々のステージに合わせて自主的かつ計画的に研修を行う向上心や態度を養うことができる。
また、教育実践情報の共有システムを活用することで、校内外の教員が、OJT 型研修として初任者研修にかかわれることから、すべての教員の資質向上を図ることができる。
さらに、研修期間を3 年間の継続研修へと延長したことで、研修内容を分散化させ初任者の自らの教育実践に研修を反映させる時間を十分に確保し、各自の経験に応じて研修内容を深化させることができるとともに、初任者研修終了後の自主的研修習慣の形成することができる。同時に、参考となる授業実践をデジタルコンテンツ化し、いつでもだれでもが授業分析や教材開発等にかかわる研修を可能にしたことで、授業力の向上と学級経営等運営にかかわる資質の向上を図ることができる。
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全文は下記からダウンロード可能ですので、関心のある方は、ご参照ください。
http://kyoushoku.shinshu-u.ac.jp/kyoushoku/nctd.zip