信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【書評】荒井英治郎「樋田大二郎・樋田有一郎『人口減少社会と高校魅力化プロジェクト―地域人材育成の教育社会学』」『月間高校教育』2018年9月号,学事出版

【書評】荒井英治郎「樋田大二郎・樋田有一郎『人口減少社会と高校魅力化プロジェクト―地域人材育成の教育社会学』」『月間高校教育』2018年9月号,学事出版

 


『月刊高校教育』2018年9月号に、
『人口減少社会と高校魅力化プロジェクト―地域人材育成の教育社会学』の書評を書かせていただきました。


これまでの地方郡部の教育に対する「通説」は、①意識・能力の高い教員によって行われる特徴的な教育実践は単発に終わり、結果として教員の異動によりその実践は消える、②また、教育の成果が上がれば上がるほど、優秀な生徒は地元を去っていく、というものでした。

 

これに対して、本書は、教育社会学の方法論によって、今やUターン・定住促進・地域活性化・高校魅力化の先進地域となっている島根県の離島・中山間地域における高校魅力化プロジェクトを「地域人材育成」の観点から分析したものです。

 

 

本書を通じて、島根における高校魅力化プロジェクトの全体像を把握できるだけでなく、自身の学校の「過去」と「現在」を振り返り、「未来」を展望する機会を得るに違いありません。今後、パターン・ランゲージ(良い実践の秘訣を共有するための方法)の役割を担っていくであろう本書をぜひご一読ください。

 

 

人口減少社会と高校魅力化プロジェクト――地域人材育成の教育社会学

人口減少社会と高校魅力化プロジェクト――地域人材育成の教育社会学

 

 

【講演】「現代日本の教育課題と教育委員に期待される役割」@新任教育委員研修会

【講演】「現代日本の教育課題と教育委員に期待される役割」@新任教育委員研修会

 

8月22日、長野上水内教育会館にて、第7回新任教育委員研修会の場で、
現代日本の教育課題と教育委員に期待される役割」と題した講演をさせていただきました。

 

長野県市町村連絡協議会主催の研修会は今回で7回目ですが、
気づけば7年連続でお話させていただいております。

 

現代日本の教育課題のほか、
①教育委員を務める自治体は、どのような教育課題を抱えているのか。
②限られた任期の中で、重点的に取り組むべきこと、果たすべき役割は、何か。
③期待される役割を果たすために、何から始めたらよいか。

など、新任教育委員の皆さんを対象に2時間半お話させていただきました。

 

【講演】「学校における働き方改革の方向性」@長野市立北部中学校

【講演】「学校における働き方改革の方向性」@長野市立北部中学校

 

8月22日、長野市立北部中学校の校内研修の場で、
「学校における働き方改革の方向性」に関してお話させていただく機会を得ました。

 

これまで校内研修の場で話をさせていただくことはあまりなかったこともあって、
方法等についてもこちらが勉強となりました。

 

またこのような機会があればと考えております。

お声かけいただき、かつ、夏休み明けの貴重な時間をありがとうございました。

 

【審議会】第1回長野市の学校における働き方改革推進に向けた懇談会@長野市役所

本日は、長野市教育委員会にて「第1回長野市の学校における働き方改革推進に向けた懇談会」。

 

学校における働き方改革に関して、長野市としての基本方針を策定していきます。

【審議会】第2回学校における働き方改革検討会議@長野県庁

本日は、長野県教育委員会にて「第2回学校における働き方改革検討会議」。

 

長野県内の各自治体の取り組みをシェアした後、①学校閉庁日、②留守番電話対応、③勤務時間の客観管理に関して、議論いたしました。

 

 

【集中講義】「学校教育の制度と理念」@上越教育大学大学院

【集中講義】「学校教育の制度と理念」@上越教育大学大学院

 

8月8日・9日・10日の3日間に渡って、上越教育大学の教職大学院にて集中講義「学校教育の制度と理念」を担当させていただきました。

 

全15コマのメニューは、以下の通り。

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1.教育問題の論じ方
2.教育制度の論じ方
3.現代日本の教育問題と教育改革
4.教育政策過程の特徴(戦後改革期、高度経済成長期、構造改革期など)
5.教育基本法の改正(論争点と逐条解説)
6.政権交代と政策転換(政策理念と対象・方法、普遍主義と選別主義)
7.社会構想モデル(自助・互助・共助・公助モデル)と教育福祉改革
8.公共哲学(リバタリアニズムコンサバティズムリベラリズム、コミュ二タリアニズム)と政策類型
9.いじめ対策
10.子どもの貧困対策
11.学校参加制度改革(学校評議員、学校運営協議会、学校支援地域本部など)
12.教育委員会制度改革と教育ガバナンス
13.教職員の働き方改革と業務の外部化・分業化・協業化・システム化
14.チーム学校論(SC、SSW、部活動指導員、SSSなど)
15.教育改革の条件
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教職大学院での集中講義は初めてでしたが、理論的課題や実践的な問いに対して、様々なディスカッションを通して考えたかったこともありまして、こちらとしてもとても有意義でした。

 

大学院生の皆様にはホスピタリティあふれる対応をいただき、感謝の気持ちで一杯です。

 

3日間どうもありがとうございました。そして、本当にお疲れ様でした。

 

【講演】「これからの長野上水内の教育を考える」@長野上水内教育会教育懇談会

【講演】「これからの長野上水内の教育を考える」@長野上水内教育会教育懇談会

 

2018年8月4日に、長野上水内教育会教育懇談会の場で、
「これからの長野上水内の教育を考える」と題した講演をさせていただきました。

 

当日の前半は、社会構造の急激な変化として
①国家財政の悪化、②福祉国家の終焉、③人口減少社会、④知識基盤社会、⑤第4次産業革命、について説明をさせていただいた後、現代日本の教育課題として、①「学力の低下」から「学習意欲の低下」へ、②自己効力感、自己肯定感、自尊感情の低下、③人間関係の希薄化、承認欲求を設定させていただき、その要因と課題解決のあり方についてお話しさせていただきました。

 

また、後半は、「学校における働き方改革の論点」を挙げさせていただきました。

具体的には、改革の視点として、①教職を「一生続けられる仕事」として取り戻すこと、②30年後も持続可能なシステムとして再構築していくことが必要であり、そのためには「日本型教育システム」の前提を見直す必要があること、そして、その方法論として、①教職員の「贅肉」をそぎ落とすこと、②教職員の「筋肉」をつけることが必要であることをお話しさせていただきました。

 

講演させていただいた後は、総勢300名程度の参加者間の意見交換の時間もあり、
私としてもフィードバックをいただくことができたのは、とても光栄で貴重な経験となりました。

 

引き続き、教職員にとって、子どもと向き合う時間の確保の前提として自分自身(のキャリア)と向き合う「時間」と「機会」を、システムとして保障していくために制度設計のお手伝いをしていけたらと考えております。

 

ありがたいことに次年度も登壇の依頼をいただいておりますので、
今からアイディアを温めて参りたいと思います。

 

どうもありがとうございました。