テスト期間

前期の授業も終了し、現在はテスト期間。

テスト監督の業務もありますが、
昨日は自身の担当科目の「教育行財政概論」の試験でした。
出席していた履修者はほぼみんな試験に臨んでくれ、
あとは試験の採点および成績処理です。


この授業は従来の高校の授業や他の科目と、授業運営の方法などが異なり最初は戸惑ったかもしれませんが、履修者の皆様お疲れ様でした。


明日から北海道出張です。




【本日の一手】

小玉重夫「学力調査の思想史的文脈―新しい国家統制か、それとも福祉国家の再定義か―」『教育格差の発生・解消に関する調査研究報告書』Benesse教育開発研究センター,2009年,111-120頁。


ベネッセの教育開発研究所研究センターの報告書の一部。
小玉先生の近年の論文。

要約を抜粋しておきます。

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◇2007年から始まった全国学力・学習状況調査は、主体の自由な遂行性(パフォーマンス)を媒介とした間接的な新しい国家統制への道を開いた。そこには、教師の遂行性(パフォーマンス)の自由の拡大が教師の自由を抑圧していくという、いわば教師を遂行性のパラドクスへと追い込んでいく危険性が潜んでいる。しかし、テスト結果を教師や学校の自主的な教育改善やそれを促す資源配分に結びつけること、学校支援のための根拠として学力調査データを活用すること、学力評価を評価するメタ評価システムをカリキュラムの市民化という枠組みのなかで構築していくこと、等の措置を講じることによって、今日の学力政策を、新しい国家統制ではなく、格差社会の構造転換を促す福祉国家の再定義へと組み替えていく可能性も存在している。

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その他の執筆者は下記の通り。

第1章 学力の地域格差
大阪大学大学院教授 志水宏吉

第2章 家庭での環境・生活と子どもの学力
お茶の水女子大学大学院准教授 浜野 隆

第3章 階層差を克服する学校効果
─「効果のある学校」論からの分析─ 大阪大学大学院教授 志水宏吉

第4章 格差を縮小する「学級効果」の探求
─マルチレベルモデルを用いた分析─ 大阪大学大学院准教授 山田哲也


第5章 「言語による自己表現」が得意だと感じている子どもは誰か?
─家庭環境・学力・学校生活との関連を中心に─ 東京学芸大学准教授 金子真理子

第6章 学力調査の思想史的文脈
─新しい国家統制か、それとも福祉国家の再定義か─ 東京大学大学院教授 小玉重夫

学力格差研究の課題 まとめにかえて
お茶の水女子大学大学院教授 耳塚寛明 

以下から全文ダウンロードが可能です。
http://benesse.jp/berd/center/open/report/kyoiku_kakusa/2008/index.html

小玉論文では論文の最後に、ちくまから『学力幻想』との新刊が出るとのことが書かれていました。今から楽しみです。