信州大学 教育基盤構築センター 荒井英治郎研究室

信州大学教育基盤構築センター 荒井英治郎研究室に関するブログです。https://araieijiro.sakura.ne.jp/もご覧下さい。

【研修】「学校事務職員とカリキュラムマネジメントー何から、どう、関わっていくかー」@千葉県市原市小中学校事務職員研修会

【研修】「学校事務職員とカリキュラムマネジメントー何から、どう、関わっていくかー」@千葉県市原市小中学校事務職員研修会

 

2026年6月17日、千葉県市原市小中学校事務職員研修会の場で「学校事務職員とカリキュラムマネジメントー何から、どう、関わっていくかー」と題した研修をオンラインで実施いたしました。

 

学校事務職員が教育課程の運営を支える「カリキュラム・マネジメント」への関わり方は非常に悩ましいものですが、冒頭は、学校現場における教員と事務職員の役割分担を整理しつつ、子どもたちの学びを支える「学校の未来」をどう創っていくのかという大きな問いを投げかけさせていただきました。

 

学校事務職員がカリキュラム・マネジメントに関わる方法は、単なる事務処理に留まらず、「総務・財務等に通じる行政専門職」としての専門性を発揮し、学校経営を支える多岐にわたる役割を担うことにあります。

 

具体的には、以下の3つの側面や役割を通じてカリマネにコミットしうると考えています。

 

①人的・物的資源等の「リソースマネジャー」としての役割

カリマネの重要な側面の一つは、教育内容と教育活動に必要な人的・物的資源(予算、時間、情報、教育内容など)を効果的に組み合わせることです。学校事務職員の皆さんは、(1)資源の再配分(学校教育目標の実現に向けて、予算や教材、備品、さらには地域の人的資源などを最適に配置・管理すること)、(2)教育活動の条件整備(教師が授業改善や「主体的・対話的で深い学び」に注力できるよう、必要な設備や資源を整えること)を意識していくことが求められます。

 

②「チーム学校」における経営参画と分業・協業の推進

事務職員は、校長を経営面から補佐する「学校運営チームの一員」としての役割が期待されています。例えば、(1)教員の業務負担軽減(働き方改革の観点から、従来教員が担っていた事務業務を「外部化」「分業化」「協業化」することで、教員が教育活動に専念できる環境を作っていくこと)、(2)組織運営の改善(学年や教科の枠を越えた組織運営の改善に、行政的視点から参画していくこと)などが挙げられます。

 

③「社会に開かれた教育課程」の実現と情報発信

カリマネは、地域の実情を踏まえ、社会と目標を共有する「社会に開かれた教育課程」を目指しています。そこでは、学校事務職員は、地域住民、保護者、行政機関等との交渉や渉外、調整を担い、地域の教育力を学校に取り込むパイプ役として、外部との連携・協働を推進することもあるでしょうし、学校教育目標や活動内容を適切に発信し、家庭や地域との「信頼貯金」を築くことで、教育目標の共有化を図ることもありうるでしょう。

 

今後の事務職員には、正確な事務処理能力に加え、「学校全体を見渡し問題を発見し解決する思考力」や、「学校教育目標・教育課程を踏まえて仕事を遂行する力」が政策的にはより一層求められることになります。

 

どのように、事務職員がカリキュラムという「教育活動」を、組織や予算といった「経営活動」の側面から支え、PDCAサイクルを動かす中心的な存在として存在感を出していくことができるのか。私も大きな問いに向き合っていきたいと思います。


およそ2時間半にもおよぶオンライン研修でしたが、参加者の皆様お疲れ様でした。