信州大学 教職支援センター 荒井英治郎研究室

信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室に関するブログです。https://araieijiro.sakura.ne.jp/もご覧下さい。

荒井英治郎「政策トレンド⑬(連載「働き方改革を『アンラーン』する 第26回)」『内外教育』第7242号,2025年5月13日,8-10頁

荒井英治郎「政策トレンド⑬(連載「働き方改革を『アンラーン』する 第26回)」『内外教育』第7242号,2025年5月13日,8-10頁


時事通信社の『内外教育』誌上で、「働き方改革を『アンラーン』する」と題した連載をさせていただいております。

 

https://edu-naigai.jiji.com/article/1549

 

第26回のテーマは、前回に引き続いての「政策トレンド13」です。

 

今号では、スポーツ庁が18年3月に公表した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイド ライン」、文化庁が同年12月に公表した「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドラ イン」の内容を概観しました。

 

ガイドラインの構成がほぼ同じであることが物語るように、運動部活動も文化部活動も足並みをそろえた内容になっています。

 

スポーツを楽しむことで運動習慣を確立すること。
生涯にわたって心身の健康の保持増進を図ること。
豊かなスポーツライフを実現すること。
生涯にわたって芸術文化等の活動に親しむこと。
多様な表現や鑑賞の活動を通して、豊かな心や創造性を涵養すること。
バランスの取れた心身の成長と学校生活を送ること。

 

これらの理念は極めて重要であり、その意義は否定し難いものですから、改革論議は、部活動を学校教員が自動的に担わされていることの是非とその限界を直視することから始める必要があります。

 

現在行われている部活動の地域移行ないし地域展開の議論においても、少なくとも現状の部活動をそのまま再現することを目指すようでは課題解決には至らないでしょう。 生徒の自主的・自発的な活動が加速度的に多様化していく中で、読者の皆さんは、「学校教育の一環」として部活動が行われていくことの意味をどのように考え、生徒や保護者・地域住民、そして、ご家族にどのように伝え、理解し合うことができているでしょうか。資源が有限な中で、教育的意義とその限界について、指導者として、教育者として、一人の大人として、言語化し共感を得ていく営みは、今日もなお求められていることです。

 

ご関心のある方は、ぜひご笑覧下さい。

引き続きよろしくお願いします。