【連載】荒井英治郎「政策トレンド⑪(連載「働き方改革を『アンラーン』する 第24回)」『内外教育』第7228号,2025年3月4日,8-9頁
時事通信社の『内外教育』誌上で、「働き方改革を『アンラーン』する」と題した連載をさせていただいております。
第24回のテーマは、前回に引き続いての「政策トレンド11」です。
2017年6月22日、中央教育審議会は、「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」という諮問を行いましたが、当時の学校現場での取り組みの進捗状況はどのようなものだったのか。
業務改善の成果と課題を把握しながら、関係者の理解の醸成や施策の改善を進めていくため、各教育委員会の取り組み状況を定期的にフォローアップしていく観点から行われている「教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査」に着目をして、その中でも、
①「教育委員会における所管する学校に対する業務改善方針の策定等」、②「勤務時間の適正把握」、③「労働安全衛生管理体制の整備」、④「部活動の適切な運営等」に関する結果を概括しました。
改めて、2017年1月20日公表の厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべきガイドライン」の留意事項の理解が重要です。服務監督の基本中の基本とも言える内容で すが、学校現場で現時点でもこれらが十分理解されているかと言えば、心許ないです。
-------------------------------------- ①「労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たること」
②「使用者は、労働基準法第108条及び同法施行規則第54条により、労働者ごとに、労働日数、労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数といった事項を適正に記入した賃金台帳を調製しなければならないこと」
③「使用者は、労働時間を適正に把握するため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること」
④「使用者が、始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること」
・1「使用者が自ら現認することにより確認し、適正に記録すること」
・2「タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること」
「上記の方法によることなく、自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、使用者は、ガイドラインに基づき適切な措置を講ずること」
⑤「労働時間の記録に関する書類について、労働基準法第109条に基づき、3年間保存しなければならないこと」
⑥「事業所において労務管理を行う部署の責任者は、当該事業所内における労働時間の適正な把握等労働時間管理の適正化に関する事項を管理し、労働時間管理上の問題点の把握及び その解消に努めること」
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ご関心のある方は、ぜひご笑覧下さい。
引き続きよろしくお願いします。