【書評】荒井英治郎「書評:中田亨『中高生のための『探究学習』入門─テーマ探しから評価まで』」『月刊高校教育』2025年3月号,99頁
このたび学事出版さんの『月刊高校教育』(2025年3月号)に、中田亨『中高生のための『探究学習』入門─テーマ探しから評価まで』」の書評を執筆させていただきました。
2022年度施行の学習指導要領において、「総合的な探究の時間」が、文字通り「目玉」とされていたことは記憶に新しいはずです。
ところが、です。
・そもそも「探究とは何か」という問いに対する自分なりの答えを持ち合わせていない。
・「総合的な学習の時間」と「総合的な探究の時間」の違いが実感を伴っていない。
・探究が必要であることは頭ではわかってはいるものの、次の一歩が踏み出せない。
・生徒にどこまで任せていいのか、教員間で合意が取れていない。
・「進学」指導と化している進路指導とのつながりが見えていない。
・探究活動の評価軸を持ち合わせていない。
こうした「無いもの尽くし」の困り感から派生する悲鳴やため息が漏れ聞こえてきます。しかし、教師のため息は確実に「伝染」します。どこに?学習者にです。
教師の向き合い方と生徒の向き合い方は連動し、相似形であり、教師が辛ければ、生徒も辛いです。そして息遣いは、学校文化を枠づけていきます。これに対して、探究学習の「手はず」(物事を行うために前もってしていく準備や段取り)が盛り込まれています。
興味を持たれた方は、ぜひご一読ください。