【いただきもの】小川幸司・成田龍一『世界史の考え方』岩波新書,2022年
長野県蘇南高等学校長の小川幸司先生から謹呈いただきました。ありがとうございます。
https://www.iwanami.co.jp/book/b600981.html
「対談形式」をとりながら、「戦後歴史学」等が抱える構造的課題が端的に概括されており、大変勉強になりました。
自分という「アイデンティティ」をめぐる問題は、実のところ「他者」との関係性の中で紐解かれ、それが「私たち」という「私」という主体とは異なる存在として歴史に浮かび上がってくることになります。
「他者をとおして自分を相対化するまなざしこそが人類の幸せを展望できる」という歴史の捉えに関して、とても共感的に読ませていただき、歴史学に関わらず、他の分野・教科においてもこのような視点を横断的に共有していくことができるのか、高等学校の学習指導要領の本格化に向けて多くの方に読まれていくと感じました。
以下、目次となります。
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刊行にあたって(小川幸司、成田龍一)
はじめに(小川幸司)
Ⅰ 近代化の歴史像
第一章 近世から近代への移行
1 近代世界の捉え方
2 中国史(岸本美緒)から見ると
3 岸本美緒との対話
第二章 近代の構造・近代の展開
1 国民国家の捉え方
2 イギリス史(長谷川貴彦)から見ると
3 長谷川貴彦との対話
Ⅱ 国際秩序の変化と大衆化の歴史像
第三章 帝国主義の展開
1 ナショナリズムの捉え方
2 アメリカ史(貴堂嘉之)から見ると
3 貴堂嘉之との対話
第四章 二〇世紀と二つの世界大戦
1 総力戦の捉え方
2 アフリカ史(永原陽子)から見ると
3 永原陽子との対話
Ⅲ グローバル化の歴史像
第五章 現代世界と私たち
1 グローバル化の捉え方
2 中東史(臼杵陽)から見ると
3 臼杵陽との対話
あとがき(成田龍一)
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小川先生、どうもありがとうございました。