信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【キーワード解説】「教員の労働環境」『事典 持続可能な社会と教育』教育出版,2019年,174頁

【キーワード解説】「教員の労働環境」『事典 持続可能な社会と教育』教育出版,2019年,174頁

 

ご報告が遅くなりましたが、日本環境教育学会、日本国際理解教育学会、日本社会教育学会、日本学校教育学会、SDGs市民社会ネットワーク、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンが編集された『事典 持続可能な社会と教育』に執筆させていただきました。

 

 私が担当した項目は、「教員の労働環境(Teacher’s work environment)」です。
 学習指導要領が改訂され、「社会に開かれた教育課程」の理念の下、「主体的・対話的で深い学び」を通して、「生きる力」を育むことが普遍的な教育課題となっています。他方、特別なニーズを有する子ども、外国由来の子ども、生活が困窮している子どもに対する支援、保護者や地域住民への対応等、現代の教育環境は複雑化・困難化している。これほどまでに多様で広範な期待がかけられる社会制度は、学校以外にないといってよいですが、教員の労働環境の悪化は看過できません。

 

 教員の労働環境と関わって、持続可能な教育システムを構想するためには、
①業務の絶対量を減らす方策を検討していくことが求められます。
そこでは、「業務改善=労働時間の短縮」という理解を超えて、「日本型教育システム」の前提を見直すことが不可欠となります。
②子どもと向き合う時間とともに、自身のキャリアと向き合う時間・機会を保障し、教職を「一生続けられる魅力ある仕事」として再構築していく観点が重要となります。

「教育は人なり」の格言を具体化する条件整備が今求められています。

 

私の項目はともかく、こちらの事典では、全141項目が記載されています。

 

目次は以下の通り。
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第1部 社会の持続可能性をはばむ課題と対応(持続可能な社会の構築、気候変動とエネルギー、生態系と物質循環、社会的・文化的課題、地域をめぐる課題と取り組み、行政・産業界等の取り組み)
第2部 持続可能な社会と教育(教育政策の課題、教育へのアプローチ、教育方法の革新)
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ご関心のある方はぜひ手にとってみてください。