信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【講演】「子どもの成長のために、必要とされる地域力」『平成29年度寿地区地域福祉を語る会』


3月7日に、長野県松本市寿公民館におきまして、「子どもの成長のために、必要とされる地域力」と題した講演をさせていただく機会を得ました。

 

「地域包括ケアシステム」の構築が謳われ、政府の再分配政策(社会保障や生活支援システム)が「地域包括ケアシステム」へと転換が図られようとしています。

 

これは、「ピラミッド型医療圏」から「地域圏をベースとした多職種連携による提供体制」への転換とも言い換えることができ、住まい・生活支援・医療・介護・予防の一体的・効率的な提供を実現しようとするものです。ここでは、「生活上の安全・安心・健康を確保するために、日常生活圏域(概ね30分以内に駆けつけられる中学校区程度の範囲)でニーズに応じた様々な医療・介護・福祉サービスを提供する体制」を構築していくことが想定されているわけですが、既存の地域づくりの基盤なしにはこうした大きな転換点を乗り越えることは困難であることは明白です。

 

これに対して、今回の講演では、医療・介護・福祉サービスを核とした「地域包括ケアシステム」の構築において、「教育」分野の議論はどのように貢献しうるのかという観点でお話をさせていただきました。

 

中教審答申(2017)「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」で指摘されているように、

現在、
①地域とともにある学校への転換
②子供も大人も学び合い育ち合う教育体制の構築
③学校を核とした地域づくりの推進

が謳われています。

 

講演では、「地域学校協働活動」の全国的なケースの紹介と、
「いつ、どこで、何をすべきか」という問いをどのように地域単位で考えていくことができるかを考えていくための視点をを提示させていただきました。

 

教職支援センターにて地域連携部門長を拝命している私自身もアクションリサーチを通じて考えて行きたいと思っています。