信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【講演】人権を考える塩田地区市民の集い「子どもの人権とは何か―「当たり前」と向き合うこと―」


【講演】人権を考える塩田地区市民の集い「子どもの人権とは何か―「当たり前」と向き合うこと―」


昨日は、長野県上田市にある塩田公民館にて、講演をさせていただきました。

テーマは、「子どもの人権とは何か―「当たり前」と向き合うこと―」です。



自治会長、分館長、人権同和教育推進員、民生児童委員、小中学校職員、PTA関係者、保育園職員など、多様な立場からの参加がありました。

私としては,夕方以降の時間の講演であること、
対象が、教育関係者に限定されていないことなど、
新鮮な点があり、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。
一方で、教育関係者以外の方々にどのように教育分野の状況をわかりやすく説明すればいいか、
今後も引き続き考えていきたいと思った次第です。


以下は、話をさせていただいた内容の抜粋です。


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はじめに
「意識」のメンテナンス(無意識の「意識」化)


1 人権とは、何か
●人権の特徴(①固有性、②普遍性、③不可侵性、④対国家性)

2 子どもの権利とは、何か
●「受動的権利」から、「能動時権利」へ
●「保護する対象としての子ども」から、「権利の主体としての子ども」へ

子どもの権利条約(①生きる権利、②育つ権利、③守られる権利、④参加する権利)

3 教育現場の現在
●教員の働き方

●教員の構造

4 子どもの現在
●「ストレス源」としての学校

●学力の低下、学習意欲の低下

●自己効力感、自己肯定感、自尊感情の低下

●人間関係の希薄化、承認欲求


【事例】
●いじめ(ネットいじめ)

不登校・ひきこもり

●特別な支援を必要とする子ども

●児童虐待
児童虐待防止法の一部改正(平成16年)
「児童虐待を受けた児童を発見した者」→「児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者」
・地域の児童相談所につながる全国共通ダイヤル(0570-064-000)

●外国人の子ども

●子どもの貧困
相対的貧困率
・全年齢層の貧困率:2006年(15.7%)→2009年(16.0%)→2013年(16.1%)
・子どもの貧困率:2006年(14.2%)→2009年(15.7%)→2013年(16.3%)
・貧困の連鎖
・「教育」の視点+「福祉」の視点

おわりに
●人権教育の4つの側面
 ①人権のための教育(for)
 ②人権についての教育(on, about)
 ③人権を通じての教育(in, through)
 ④人権としての教育(as)

●人権尊重の理念:「自分の大切さとともに、他の人の大切さを認めること」

●人権教育の目標:「様々な場面や状況下で、具体的な態度や行動に表れるようにすること」
 ①他者を理解する想像力、②他者とのコミュニケーション能力、③人間関係を取り結ぶ社会性

●共通する問いかけ
①誰が、②誰と連携しながら、③どのような支援を行っていくことができるでしょうか?


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