信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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荒井英治郎編『教育政策オーラル・ヒストリー—教育改革と文部科学省—』(日本学術振興会 科学研究費助成事業 成果報告書)信州大学,2014年3月

 

荒井英治郎編『教育政策オーラル・ヒストリー—教育改革と文部科学省—』(日本学術振興会 科学研究費助成事業 成果報告書)信州大学,2014年3月



 

このたび、

若手研究(A) 「政権交代に伴う教育政策過程・内容の変容に関する実証的研究」の調査研究成果の一部として、



荒井英治郎編『教育政策オーラル・ヒストリー—教育改革と文部科学省—』(日本学術振興会 科学研究費助成事業 成果報告書)信州大学,2014年3月

を刊行いたしました。



現在関係各方面に発送作業をしているところです。




以下、「はしがき」部分の記載を若干修正したものです。

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 政権交代前後において、教育分野の政策過程・政策内容は変容したのか、あるいは変容
していないのか。

 本報告書は、教育政策過程の中核を担う現役の文部科学省関係者に対して実施したヒア
リングから得られたオーラル・データを再構成したものである。


 本報告書に記載したのは、下記7 人の文部科学省関係者による証言である(肩書きは全
てヒアリング当時)。


1 文部科学省生涯学習政策局政策課・専門調査官(併)課長補佐
2 文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課校務改善専門官
3 文部科学省初等中等教育局参事官付 専門職
4 大臣官房文教施設企画部施設助成課法規係長
5 文部科学省高等教育局私学部参事官付視学官
6 東京学芸大学事務局参事役
7 文部科学省生涯学習政策局社会教育課長


今回ヒアリングを実施した文部科学省関係者が担当したアジェンダの多くは、今次の教育制度に大きなインパクトを与えたものばかりであり、

登場するアクター、活用されたアリーナも、現代教育政策の輪郭を描く象徴的なものとなっている。


[アジェンダ]
教育基本法の改正
・教育振興基本計画の策定
地方分権改革
・規制改革
構造改革
・学校設置主体の多様化
・学校運営協議会
・コミュニティ・スクール
・小・中連携
・小・中一貫教育
・産学連携
・許認可行政
生涯学習
・国立大学の法人化と統合
・学習指導要領
・職業能力開発
学校評価制度
・キャリア教育
新しい公共
・熟議
・震災復興


[アクター]
内閣府
・大蔵省・財務省
労働省厚生労働省
経済産業省
総務庁総務省
金融庁
・民間議員
文教族


[アリーナ]
中央教育審議会
・規制改革委員会
・総合規制改革会議
構造改革特区推進室
・教育改革国民会議
教育再生会議
教育再生懇談会


 教育政策研究においては、不可視である当事者の「記憶」を可視化された「記録」へと変換し、現代的文脈に位置付けていくオーラル・ヒストリーの取り組みはまだ始まったばかりである。
 今後は文部科学省の中でも担当局が異なる複数の政策過程を共時的に分析することで、政策過程の特質と、政策内容の実相を明らかにすることを予定している。

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ご関心がある方は、お問い合わせください。
残部があれば、後日送付いたします。