信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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群馬での取り組み

読売新聞3月3日によれば、群馬県伊勢崎市で教科分担制導入とのこと。

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伊勢崎市、小学校でも教科分担制導入へ(群馬)
 伊勢崎市教委は1日、新年度から市立の全24小学校に「教科分担制」を導入すると発表した。現在は学級担任がほとんどの教科を受け持っているが、各教諭の適性に即した教科を担任していないクラスでも指導できるようにする。

 中学校に進学すると、教科ごとに担任が違う授業になじめなくなるなどの「中1ギャップ」と呼ばれる現象が深刻化している。小学校から慣れてもらうのが目的で、教諭に得意な教科を担当させることで負担を軽減し、教育の質を高める効果も狙う。教諭の配置などの運用は各校に委ねる。

 同様の取り組みは、前橋市や沼田市の市立小学校でも2007年度から行われている。前橋市教委は「授業の質が高まり、教諭が複数の学級にかかわることで責任感も向上した」と効果を認めており、大半の小学校で定着しているという。

(2010年3月3日 読売新聞)

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http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news2/02/20100302-OYT1T00426.htm?f=k

私的には教科担任制の教育効果もさることながら、
導入経緯や発案者のコスト感覚等気になるところです。

群馬出身で後輩のNさん、ぜひご注目下さい!


【本日の一手】

教育費の政治経済学

教育費の政治経済学


福岡教育大学の末冨芳先生からいただきました。
博士論文の刊行ということになります。
謹呈していただき恐縮です。
この時期研究費の執行が終了していることもあり大変助かります。


出版社による内容説明としては、
「教育費のあり方は、子どもの能力開花や教育の機会均等をも左右する。教育費の配分に関する制度的変革が進展しつつある今、わが国における教育を家計と政府がどのように負担するべきか。従来の曖昧な混合型構造の問題点を指摘し、法システムの明確化など、新しい分担型構造を提案する。教育費をとりまく政策、学問を問い直す格好の書。」
とあります。


目次は、下記の通りです。

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序章 教育財政学としての教育費研究
 第1節 研究の目的 
 第2節 教育費の理論空間と規範空間
 第3節 本書の構成

第1章 教育財政学における教育費概念の理論的課題
 第1節 問題設定
 第2節 戦後教育財政学における教育費概念
 第3節 教育財政学における教育費概念の課題と展望

第2章 教育費負担の公私関係:量的拡大と変動
 第1節 問題設定
 第2節 公私教育費に関する先行アプローチの特徴と課題
 第3節 戦後公私教育費データベースの作成方針
 第4節 教育費負担の公私関係:1955-2005年度における量的拡大
 第5節 教育費の公私関係の変動

第3章 「公私混合型教育費負担構造」の法システムとその流動
 第1節 問題設定
 第2節 「公私混合型教育費負担構造」の法システム
 第3節 考察

第4章 教育費スポンサーとしての保護者モデル再考:高校生・大学生保護者質問紙の分析から
 第1節 問題設定
 第2節 保護者の教育費投入行動の理論的枠組み
 第3節 保護者教育費投入意識の検討:単純集計を通じて
 第4節 保護者のスポンサー意識の分析
 第5節 保護者スポンサータイプの類型化
 第6節 考察

第5章 戦後日本における家計教育費「過剰感」の展開:教育費の社会的関心と政策環境
 第1節 序論
 第2節 教育費とメディア:新聞・雑誌記事における教育費への社会的関心
 第3節 家計教育費「過剰感」の生成と変容:教育費の政策環境
 第4節 結論と考察

終章 教育費の公私関係と教育財政機能の展望
 第1節 本研究の知見:戦後日本における「公私混合型教育費負担構造」の展開とその特徴
 第2節 教育費の公私関係と教育財政機能の展望:「公私分担型教育費負担構造」への移行条件
 
参考文献/あとがき/索引

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自身の研究分野とリンクする部分も多々あるかと思いますので、
じっくりと読ませていただきます。
どうもありがとうございました。