学校参加のアイロニー


昨日は、早朝(といっても、7時過ぎ)に松本を出発し、
車で非常勤先へ。

行きは都内で渋滞につかまり、かなりの時間ロスを経験。
しかし授業にはなんとか間に合いました。

ちなみに、帰りも渋滞につかまり、家についたのは、午前1時半でした。。。




今日の授業は、「学校参加制度」がテーマでした。

これまで、学校選択制度、バウチャー制度、チャータースクール制度などを取り上げることで、「公立学校改革の諸動向」シリーズの学習をしてきましが、今回の学校参加制度もそのone of themです。


授業の流れは下記のとおり。

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(1)多様な学校参加の形態
(2)参加の契機
(3)市民参加の類型化
(4)学校評議員制度
(5)学校運営協議会
(6)開かれた学校づくり

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授業を通じて、家庭や地域が学校に何かしらの形で参加することは無前提に賛美すべきことといえるのかというある種プリミティブ、とはいえ、理論的にも実証的にも今後再吟味が必要と思われる事柄について、具体的なケースや学生の経験からディスカッションをしてもらいました。



今回で、「公立学校改革の諸動向」の柱はとりあえず終了です。
次週は、「日本の学力問題」です。
日本の学力論争の構図を説明するとともに、実際に、学生さんにPISAテストを受けてもらい、そのテストの特徴をグループワークを通じてピックアップしてもらおうと思っています。




【本日の一手】

武井哲郎「学校に関与する保護者・地域住民が持つ論理と葛藤」『日本教育制度学会第17会大会発表レジュメ』(2009年11月14日)



昨年まで同じ研究室だった武井さんの学会発表レジュメを移動時間に再読。


本発表の目的は、「保護者・地域住民がいかなる論理や葛藤を持って学校との関係を取り結んでいるのかを明らかにすることによって、資源や意思の担い手である『主体としての地域』を構築することの可能性と困難性について示唆を得ることにある」とあります。



武井論文は、この研究に関わる問題意識として下記2点を挙げています。

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①保護者・地域住民の側の視点を置いた研究が少ない
→「行政主導のもと学校運営や教育活動に家庭・地域の関与が求められるなかにあって、保護者・地域住民はいかなる認識や葛藤を持って学校との関係を取り結んできたのかを明らかにする必要がある」


②学校に関わる保護者・地域住民が、教員の専門性とどう向き合っているのかという問題を扱った研究が少ない
→授業での地域人材・地域資源の活用をはじめとして、教員の専門的裁量が発揮される領域に保護者・地域住民が関わる機会というのは着実に増加している。今改めて、教員の専門性と向き合う保護者・地域住民の姿にスポットを当てる必要がある」

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この研究はおそらく近々パブリッシュされることになると思いますので、
論文の実証部分に関する詳細は明らかにできません。

個人的には、「主体としての地域」が構築されることの意味やイメージ、モデルについてより精緻に検討していくことが必要かと思いました。なぜならばこの作業をすることによって、「未完のプロジェクト」としての地域連携や学校参加、生徒参加といった議論のナイーブさを打破でき、次の議論に発展できるのではないかと思うためです。

この種の研究には、「乞うご期待」です。