信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室に関するブログです。

第2回FDセミナー

昨日は、教育行財政概論、部の会議の後、夕方から第2回FDセミナーに参加。

今回のテーマは、いわゆる「ピア・レビュー」についてでした。

特に、「ピア・レビューの受け方・行い方」についてがメインテーマでしたが、当日の流れやテーマを簡単に記しておきます(メモより)。

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●教育・授業改善の方法/ツール

・授業を改善するためには、授業に関する客観的なデータが必要

・自分の授業に関する客観的なデータをどう集めるか?
①授業を受ける学生の視点から
→「授業評価」、「リアクション・ペーパー」
しかしこれだけでは一面的、教員の視点から見ることができない

②授業を行う教員の視点から
→「授業参観」、「研究授業」

※※「学生による授業評価」+「ピア・レビュー」
→自分の授業を外から/客観的に見ることができる
→授業改善のための情報を入手できる


●FDの手段としてのピア・レビュー

・ピア・レビュー(Peer Review):同僚によるチェック
→同じ教員である同僚の視点を通した客観的なデータ

①「研究」に関して:
→学会、研究会、論文の査読

②「教育」に関して:
→授業参観、研究授業・・・


●どのようにピア・レビューを受けたいか。

①「ピア・レビューを受ける」ということ
・なぜ受けるのか?
・何を見て欲しいのか?
・何を知りたいのか?

②レビュアーに望むこと
・事前に知っておいて欲しいこと
・レビューの際に望むこと(言動、視点・・・)
・レビューの後で伝えて欲しいこと


●どのようにピア・レビューを行えばいいか。

①「ピア・レビューを受ける」ということ
・なぜ行うのか?
・何を見ればよいのか?
・どのように行えばよいのか?

②レビューの際に行うこと
・事前に何を知っておきたいか
・教室で何をすればよいか(行動、視点・・・)
・レビューの後に何をすればよいか

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着任したばかりの人間にとっては、
確かに「ピア・レビュー」というのは、重要かもしれないと思いました。

論点としては、バックグラウンドの異なる研究者とそれを共有する研究者とではレビューの次元・視点・観点が必然的に異なるため、それらを統合するような設計も必要となるのではないか、施策目的を何に据えるか(例えば、教員評価・考査か授業改善か)、すなわち、制度理念の目的如何は、導入後の波及時に大きな影響を及ぼすことになるためそのためには事前に共有すべき事柄があるだろうということなどが挙げられそうです。

なお、高等教育学会や大学教育学会ではFDを研究対象として据えているという流れがあるようです。



【本日の一手】

教員免許更新制を問う (岩波ブックレット)

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全国学力テスト―その功罪を問う (岩波ブックレット)

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公立学校の底力 (ちくま新書)

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学力を育てる (岩波新書 新赤版 (978))

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格差社会と教育改革 (岩波ブックレット)

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学力と階層 教育の綻びをどう修正するか

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教育再生の迷走

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「教員評価」―検証 地方分権化時代の教育改革 (岩波ブックレット)

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出張後の研究会で検討する文献たちとそれに関連するものです。
いわゆる岩波ブックレットシリーズ。
分量も少なく、読みやすいためぜひ皆様もご一読を。
諸動向を知るのには適しているでしょう。