信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【研修】「長野県の教育課題と学校マネジメントー学校組織における「中堅教員」の役割(キャリアアップ研修)」@長野市教育センター

【研修】「長野県の教育課題と学校マネジメントー学校組織における「中堅教員」の役割(キャリアアップ研修)」@長野市教育センター

 

10月30日に「キャリアアップ研修」として、長野市教育センターにて「長野県の教育課題と学校マネジメントー学校組織における「中堅教員」の役割」というタイトルで登壇させていただきました。

 

キャリアアップ研修は、長野県の40代の教員が、現在の教育課題を確認しながら自己実践を振り返ることにより、教員としての在り方について考えるとともに、学校組織マネジメントの基礎知識や学校危機管理、自己の感情と向き合うことの必要性を学ぶことを通して、充実期の資質能力を高め、今後のキャリアアップを考えることを目的とするものとして設計されています。

 

第1回目の研修では、「教職キャリアのリフレクションと展望」では、ストレスマネジメントの観点から教員の職業特性を紹介するとともに、ご自身のセルフコントロールの技法をグループで確認してもらいましたが、

 

本日の第2回目の研修では、①日々の実践を「教科目」や「校務分掌」からの視点、「学級組織」や「学年組織」からの視点ではなく、「学校組織」という視点で 課題解決の方法を考え、選択肢の幅を広げていくために、ケースメソッドで研修を進めていき、「学校組織マネジメント=(教育)法的思考+(教育)実践的思考」のモチーフを理解していただきました。

 

また、② 勤務校の「状況把握」を前提としながら、現在、勤務校で期待されている役割は何か?、今後、勤務校で果たすべき役割は何か?を考えていただく機会になればと考え設計をいたしました。

 

参加してくださった先生方、2日間もお付き合いいただき、どうもありがとうございました。

【研修】「教職キャリアのリフレクションと展望(キャリアアップ研修)」@長野市教育センター

【研修】「教職キャリアのリフレクションと展望(キャリアアップ研修)」@長野市教育センター

10月26日に「キャリアアップ研修」として、長野市教育センターにて「教職キャリアのリフレクションと展望」というタイトルで登壇させていただきました。

キャリアップ研修は、長野県の40代の教員が、現在の教育課題を確認しながら自己実践を振り返ることにより、教員としての在り方について考えるとともに、学校組織マネジメントの基礎知識や学校危機管理、自己の感情と向き合うことの必要性を学ぶことを通して、充実期の資質能力を高め、今後のキャリアアップを考えることを目的とするものとして設計されていまして、
以下のような内容構成となっています。
——————————
・これまでの子ども観を見直し、さらに児童生徒理解を深める。 ・後輩を育成するという使命を自覚する。 ・的確なリスクマネジメント能力を身に付ける。 ・地域の教育力を有効に活用するマネジメント力を身に付ける。 ・教科会や学年会を運営するためのスキルを身に付ける
——————————

2回にわたる研修のうち、
第1回目の研修では、
ストレスマネジメントの観点から教員の職業特性を紹介するとともに、
ご自身のセルフコントロールの技法をグループで確認してもらい、
最終的には、これまでの約20年間にわたる教職キャリアのリフレクションをしていただく機会を提供させていただきました。

 

【講演】「これからの学校事務職員の職務のあり方を考える」@第51回長野県公立小中学校事務職員研修大会

【講演】「これからの学校事務職員の職務のあり方を考える」@第51回長野県公立小中学校事務職員研修大会


10月26日に第51回長野県公立小中学校事務職員研修大会(長野県総合教育センター)にて、「これからの学校事務職員の職務のあり方を考える」というタイトルで講演をさせていただきました。

 

「一人職制」、「職務曖昧性・職務葛藤性」といった特徴を有する学校事務職員が、
学校組織における唯一の総務・財務等に通じる行政専門職としての「事務職員」として把握され、 今次の学校教育法第37条第14項の改正により「事務職員は、事務をつかさどる」と職務の明確化がなされました。

 

当日は、
「社会の変化と教育改革の動向」、「学校事務職員の職務のあり方」の2本柱でお話しさせていただきまして、 以下のような論点を提起させていただきました。

 

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①学校事務職員が「学校」で働く意義は、何でしょうか?

②今後の学校事務職員に求められる資質・能力とは、何でしょうか?

③働き方改革の一環として、自分の業務量を減らすために、何ができるでしょうか?

④教員の多忙化対策のために、何ができるでしょうか?

⑤教員の業務で学校事務職員が分有できる業務はあるでしょうか?

⑥若手職員を中心とした学校事務職員の力量を高めるためには、 どのような「取り組み」と「仕組み」(仕掛け)が必要でしょうか。

⑦学校教育法第37条第14項「事務職員は、事務をつかさどる」を受けて、個人として、地区研として、県事研として、どのような取り組みが必要となるでしょうか。 —————————————————

恩師の一人が、「学校事務職員の存在を抜きにして学校のことを考えることはできない」と話されていたことが昨日のことのように感じ、このような場でお話しさせていただくことは本当に光栄かつ貴重な経験となりました。

 

引き続き調査研究の対象としてキャッチアップしていけたらと考えています。

ありがとうございました。

【論文】荒井英治郎「教育・福祉改革と制度設計の指針」末松裕基編『教育経営論』学文社,2017年,23-42頁。

【論文】荒井英治郎「教育・福祉改革と制度設計の指針」末松裕基編『教育経営論』学文社,2017年,23-42頁。

 

ご報告が遅くなりましたが、末松裕基先生が編者をされた『教育経営論』(学文社)に「教育・福祉改革と制度設計の指針」というタイトルで論文を執筆させていただきました。
http://www.gakubunsha.com/book/b313311.html


 本稿では、「再帰的近代」という時代を背景としながら教育・福祉分野の制度設計の指針を論じました。大きく分けて4つのセクションに分けて執筆をしまして、①民主党から自民党への政権交代に着目しながら、政権交代に伴う政策理念の転換を概括し、②制度のあり方を規定する政策理念が、政策対象の範囲と方法においてどのように政策選択の幅を拡大・縮小させるかを論じ、③公共性の実現を志向する4つの社会構想モデルに着目し、モデルの特徴と相互関係を論じ、④公共哲学を2つの指標(政治的自由度と経済的自由度)に基づき類型化し、政策案に対する姿勢とその根拠を論じました。
 個別具体的な政策がいかなる政策理念に基づくものであるのか、そして、その政策はいかなる社会構想や公共哲学と親和的な関係にあるのかを理解することに少しでも役立てばと思っております。


以下は、「目次」です。
私の論文はともかく、当該本には魅力的な論文ばかり掲載されていますので、ご関心のある方は、ご一読ください。


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まえがき

第1章 現代教育経営学の理論的課題(末松 裕基)
―理論的混迷の救済,または学説史の再生成へ―
第1節 問題意識――現代の教育経営学の課題  
第2節 教育経営学の知識産出の環境変動  
第3節 知識産出の前提と課題――教育経営論の生成に向けて:学説史の救済,蘇生 

第2章 現代の教育経営政策と法を読み解く(大野 裕己)
 はじめに  
 第1節 現代の教育改革の「主体」と改革の目的の輻輳性  
第2節 現代の教育改革と教育経営・学校経営の法の変化  
第3節 現代の教育改革・教育経営政策へのまなざしと問題群  

第3章 教育・福祉改革と制度設計の指針(荒井 英治郎)
はじめに ―─「再帰的近代」における教育・福祉改革  
第1節 政権交代と政策理念の転換  
第2節 政策理念と対象・方法  
第3節 社会構想の概念モデルと公共性の実現  
第4節 公共哲学と政策類型  
おわりに  

第4章 〈学校と地域〉の関係を問い直すための予備的考察(山下 晃一)
はじめに  
第1節 本章の課題  
第2節 従来の〈学校と地域〉をめぐる発想の反省  
第3節 〈学校と地域〉をめぐる発想転換の基点  
第4節 〈学校と地域〉の関係をめぐる議論の再出発  
第5節 戦後教育の遺産に学び直す――むすびにかえて  

第5章 学校づくりの組織論(織田 泰幸)
はじめに――寓話:盲目の男たちと象  
第1節 「盲目の男たちと象」の教訓  
第2節 教育経営の研究からみた「学校づくり」  
第3節 「学校づくり」を理解するための理論的枠組み  
第4節 理論を踏まえた「学校づくり」の可能性と課題  

第6章 戦略クラフティングの発想に基づくスクールリーダー教育に向けて(山本 遼)
第1節 ヒーロー型リーダーに替わるリーダーとは  
第2節 戦略プランニングの発想に基づくマネジメント教育の特徴とその問題点  
第3節 ミンツバーグの戦略クラフティングの発想に基づくマネジメント教育論  
第4節 組織開発を通じてマネジメント能力を高める  
第5節 戦略クラフティングの発想に基づくスクールリーダー教育に向けて  

第7章 これからの教育経営におけるリーダーシップ論(篠原 岳司)
はじめに  
第1節 わが国の教育経営におけるリーダーシップ研究の理論的課題  
第2節 分散型リーダーシップの理論的特質  
第3節 今日の教育経営における分散型リーダーシップ論の意義と課題  
おわりに――これからの教育経営論の学問的発展にむけて  

第8章 教育経営の歴史的教訓―評価の観点から―(雪丸 武彦)
はじめに  
第1節 教育経営と評価の設計の問題  
第2節 教育測定運動と学校調査  
第3節 戦後における学校評価  
おわりに――教訓  

第9章 教育経営と地域行政―地域社会の問題とその解決・主権―(辻村 貴洋)
はじめに  
第1節 本章の課題――経営と地方自治のプロセス  
第2節 教育をめぐる政治と行政・経営  
第3節 地域社会の問題と学校教育  
第4節 教育を経営するとは  
第5節 教育経営へのアイデア  
おわりに――教育に固有の経営実践の追究と発信  

第10章 教育経営を社会思想・哲学から読みなおす(生澤 繁樹)
─学校経営の責任と罪とデモクラシー─
はじめに  
第1節 社会思想・哲学と学校経営の責任
──「いかにして」から「なぜか」の問いへと向かうこと  
第2節 「効率化の科学」と「新しい社会秩序」のあいだで
──教育の目的と社会のあり方への応答はあるか?  
第3節 デモクラシーと専門性のジレンマ
──教育経営に参加するのは「誰」なのか?  
第4節 学校経営の「責任」と「判断」
──個人への帰責モデルと回避される応答責任  
第5節 学校経営と「政治的責任」の描き方  
おわりに  


コラム
過ちでしか知れない真実がある  
現代の教育経営・学校経営に関する法を読み解く  
ミニマム論とオプティマム論─「独自性」と「格差」のあいだ  
社会変化と教育経営理論―大学講義の経験から  
学校をメタファーで理解する  
マネジメント教育の三世代論  
教師の主体性を奪う教育の標準化・画一化の問題  
不思議な評価  
子どもの相対的貧困と支援策  
参加による学校づくりはデモクラティック・リアリズムに対抗できるか?  
「自律性」があるから「責任」を負うのか?  

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教育経営論 (教師のための教育学シリーズ)

教育経営論 (教師のための教育学シリーズ)

 

 

 

 

 

【書評】荒井英治郎「たかまつなな『政治の絵本—現役東大生のお笑い芸人が偏差値44の高校の得票率を84%にした授業』弘文堂」『月刊高校教育』2017年9月号,学事出版。

【書評】荒井英治郎「たかまつなな『政治の絵本—現役東大生のお笑い芸人が偏差値44の高校の得票率を84%にした授業』弘文堂」『月刊高校教育』2017年9月号,学事出版。

 

『月刊高校教育』2019年6月号に、今話題沸騰中のたかまつななさんの『政治の絵本—現役東大生のお笑い芸人が偏差値44の高校の得票率を84%にした授業』の書評を書かせていただきました。

 

 選挙制度は、代議制民主主義を躍動させるエンジンであることに変わりありません。
2015年6月に公職選挙法が改正され、選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられたわけですが、若者にとって、いざ投票用紙が送られてきたら、投票は義務・権利か、どこにどうやって投票すればいいのかなど、具体的な判断(意思決定)を迫られることになります。

 

 実のところ、こうした「唐突感」は、若者を動揺させるに十分なものです。

 

これに対して、この「絵本」は、迷える若者の背中をそっと押す「ユーモア」と「ユニーク」を散りばめたギフトになっています。

 

若者は、書(絵本)を持って「学校」から「社会」へ飛び出そう。これからの社会を作るのは、君なのだから。

 

ぜひご一読ください。

 

 

 

【研修】「現代日本の教育課題と教育行政に期待される役割」『新任教育委員研修』@長野上水内教育会館

【研修】「現代日本の教育課題と教育行政に期待される役割」『新任教育委員研修』@長野上水内教育会館

 

8月23日に、長野上水内教育会館にて、新任教育委員研修を担当させていただきました。

 

現代日本の教育課題や教育改革のトレンドの概説とともに、教育委員会制度の理念と改革論議、新制度下のポイントを解説させていただきました。

 

①現代の教育課題、教育改革を、どのように理解すべきか。

②現在、教育委員に期待されていることは、何か。

③教育委員を務める自治体は、どのような教育課題を抱えているのか。

④限られた任期の中で、重点的に取り組むべきこと、果たすべき役割は何か。

⑤期待される役割を果たすために、何から始めたらよいか。

 

教育委員としての初発の課題意識から、具体的に自治体レベルの政策論議につなげていく機会となればと考えています。

 

どうもありがとうございました。

【研修】「学校組織マネジメントとリーダーシップ」『高校新任教頭研修Ⅱ』@長野県総合教育センター

【研修】「学校組織マネジメントとリーダーシップ」『高校新任教頭研修Ⅱ』@長野県総合教育センター

 

 

8月8日に、長野県総合教育センターにおいて、高校新任教頭研修の講師の仕事をさせていただきました。

 

「変革期のスクールリーダーは、何を管理するのか?」という大きな問いから、
「スクール・コンプライアンス」や「スクール・リーダーシップ」についての議論を紹介し、ナイーブな「法令遵守」規範に囚われないコンプライアンスのあり方を提示させていただきました。

 

変革期のスクールリーダーには、
①組織管理能力

②組織経営能力

③組織開発能力

④指導・助言能力

⑤教育実践開発能力

⑥カリキュラム開発能力
などの力量が求められていると言われていますが、
いつから、どのような能力を、どのような方法で、習得していくか、具体的に構想する機会となればと願っています。

 

どうもありがとうございました。