信州大学教職支援センター 荒井英治郎研究室

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【論文】荒井英治郎「制度としての学校」末松裕基編『現代の学校を読み解く: 学校の現在地と教育の未来』春風社,2016年4月

末松裕基編『現代の学校を読み解く: 学校の現在地と教育の未来』春風社,2016年4月


ご紹介遅れましたが、東京学芸大学の末松先生のもとで
『現代の学校を読み解く: 学校の現在地と教育の未来』(春風社)に論文を執筆させていただき、
このたび刊行の運びとなりましたので、ご紹介いただきます。
http://shumpu.com/archives/8819


以下は、目次です。
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はじめに

第Ⅰ部 現代の学校はどうなっているか?

第1章 現代の学校の課題と可能性(末松裕基)
第2章 「教科書を教える学校」から「カリキュラムを開発する学校」へ(安藤福光)
第3章 新しい学校と教師の学習(篠原岳司)
第4章 ゼロからの理念型学校づくり―君に熱意や志はあるか(畑康裕)
第5章 超学校社会―“学校まみれの社会” と学校を超える社会(林寛平)


第Ⅱ部 現代の学校を考える視点とは?

第6章 近代/現代の学校を批判的に考える―学校を変えるためのリアリズム(生澤繁樹)
第7章 学校の仕事の拡大史(雪丸武彦)
第8章 制度としての学校(荒井英治郎)
第9章 ドイツの学校は国家とどう付き合ってきたか(辻野けんま)
第10章 学校は世界の子どもを救えるか(橋本憲幸)

おわりに
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私は、第8章「制度としての学校」において、
改めて「制度」とは何だろうか、「学校」とは何だろうか、
学校には、どのような役割が期待され、どのような機能を現実に果たしてきたのか、
家庭、地域、教員、子どもにとって、学校はどのような存在なのか、
多様な制度観に基づく学校論や多様なアプローチ(窓)から見た学校論を論じました。

構成は、以下の通りです。

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1 社会環境の変化―個人・他者・社会

2 教育問題と教育制度
2.1 教育問題の論じ方
2.2 教育制度の論じ方

3 「制度」とは何か
3.1 新制度論と旧制度論
3.2 「ゲームのルール」としての制度―合理的選択制度論
3.3 「制約」としての制度―歴史的制度論
3.4 「慣習」としての制度-社会学的制度論

4 制度としての教育
4.1 制度としての家庭
4.2 制度としての地域

5 制度としての学校
5.1 「平等化装置」としての学校
5.2 「官僚制的装置」としての学校
5.3 「ジェンダー装置」としての学校
5.4 「再生産装置」としての学校

6 サブ・システムとしての学校文化
6.1 教員文化
6.2 子ども文化

おわりに―自己目的化する「改革至上主義」を超えて
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末松裕基先生のマネジメントの下、安藤福光先生、篠原岳司先生、畑康裕先生、林寛平先生、生澤繁樹先生、雪丸武彦先生、辻野けんま先生、橋本憲幸先生
と他領域にわたる諸先生方とご一緒させていただき、議論をさせていただいたことがとてもいい刺激となり、大きな財産となりました。

ちなみに、本書は、コラム、論文紹介、図書紹介、キーワード解説なども盛り込まれています。
一例として第8章では以下のようなものを取り上げました。

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コラム8-1 「脱学校」の先にある教育社会とは?
コラム8-2 「教育投資家族」のゆくえ
コラム8-3 学校制度改革の動向
コラム8-4 正規/非正規の学校?
論文紹介8-1 制度改革の正当性と正統性
図書紹介8-1 教育論議のイロハ
図書紹介8-2 学校に内在化する暴力?
図書紹介8-3 「大人」が「若者」を理解するには? 
キーワード8-1 経路依存性
キーワード8-2 インクリメンタリズム
キーワード8-3 隠れたカリキュラム
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私の論文はともかく、ご関心のある方は、ぜひ諸先生方の論考に触れてください。

 

 

現代の学校を読み解く: 学校の現在地と教育の未来

現代の学校を読み解く: 学校の現在地と教育の未来

 

 

【講演】平成28年度長野県明るい選挙推進協議会

平成28年度長野県明るい選挙推進協議会にて、
「『18歳選挙権』に対する大学側の反応と大学生の意識」
と題したテーマで講演をさせていただきました。

同日は、
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1.「18歳選挙権」をめぐる論点
2.子ども・若者の現在
3.大学側の反応
4.大学生の意識
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といった内容に関して、
とりわけ大学側の受け止め方の現状と、
「新入生」を主な対象としたアンケート調査の分析から得られた知見を報告させていただきました。

引き続きこの種のテーマについては当事者意識をもって向き合っていけたらと思っております。

【講演】軽井沢町青少年問題協議会

 

5月13日(金)に軽井沢町青少年問題協議会において、講演をさせていただきました。

 

「これからの学校と家庭・地域の連携のあり方を考える」

 

というタイトルで、

・学校・家庭・地域の連携の必要性が謳われる背景

・教育改革の動向

・今後の連携のあり方

という3本柱でお話をさせていただきました。

 

軽井沢町は、「軽井沢学」を通じて、①「人」に対する思いやり、②「物」に対する思いやり、③「環境」に対する思いやりを重視した教育を展開するとともに、町ぐるみの教育、地域ともにある学校を軸とした、「こぶし教育」(「こ」:こころ豊かに、「ぶ」:ぶんかを育て、「し」:しぜんを愛する)を推進しています。

個人的には、メディアを賑わした「幼・保・小・中・高」の連携について関心を持っていますが、現在はアフタースクールにも力を入れているというお話をお伺いしましたので、また機会があれば訪問させていただきたいと思っております。

 

【告知】「日本PBL研究所創立10周年記念フォーラム」


 理事を務めさせていただいている日本PBL研究所の創立10周年を記念して、フォーラムを開催することになっております。
 
当日は、司会を務めさせていただく予定ですが、ご関心のある方はぜひご参加ください。
 
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【日時】
2016年6月18日(土) 13:00-17:00(受付12:30開始)
 
【会場】
東京電機大学 東京千住キャンパス
1号館2階 丹羽ホール
 
JR常磐線東京メトロ日比谷線・千代田線、
北千住駅」東口(電大口)下車徒歩1分
 
※当日は同一建物内で、他の大きな会合がございます。
  会場をお間違いになりませんようご注意ください。
 
【当日のスケジュール(予定)】
12:30 開場・受付開始
13:00 理事長あいさつ・経過報告
13:30 記念講演
    ●アクティブラーニングとしてのPBLの発展可能性
      京都大学教授          溝上 慎一氏
15:00 記念シンポジウム
    ●PBL追跡15年の総括と展望
    *シンポジスト
      京都大学教授          溝上 慎一氏
      盛岡大学教授(研究所理事)   市川 洋子氏
      東京電機大学教授(研究所理事) 広石 英記氏
    *コーディネーター
      グリーン・ヒルズ校長(理事長) 上杉 賢士氏
   
17:00 終了 <引き続き情報交換会>
 
 
【費用】
(フォーラム参加費)
参加費・資料代として1,000円(税込)を当日受付にてお預かりします。
※研究所会員(当日入会可)、東京電機大学関係者は無料です。
 
(情報交換会費)
終了後に大学施設内で情報交換会を開催します。
参加費3,500円(税込)
 
・フォーラム及び情報交換会には、事前の申込が必要です。
フォーラム定員:300名(先着)
情報交換会定員:50名(先着)
 
【問合せ】
(主催)
NPO法人 日本PBL研究所
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【法規・制度解説】寺崎千秋編(2016)『教務主任実務ハンドブック』教育開発研究所

【法規・制度解説】寺崎千秋編(2016)『教務主任実務ハンドブック』教育開発研究所

 

ご紹介が遅れましたが、『教務主任実務ハンドブック』の「法規・制度解説」として、以下の項目について分担執筆させていただきました。

 

・「主任制度と教務主任の職務」
・「主任教諭の法制化」
・「コミュニティスクールの法定化と導入」
・「学校評価の報告と情報提供」
・「「チーム学校」の推進」

 

本書は、「教務主任」をメインの対象としたものとなっていますが、

法規・制度解説に関しては、他の教育関係者でも理解しやすいようにポイントをまとめさせていただきました。

ご関心のある方は、ご一読ください。

 

 

すぐ役立つ 教務主任実務ハンドブック:必須102項目を実務・事例・法令から解説 (教職研修総合特集)

すぐ役立つ 教務主任実務ハンドブック:必須102項目を実務・事例・法令から解説 (教職研修総合特集)

 

 

【いただきもの】解説教育六法編修委員会編(2016)『解説 教育六法(平成28年版)』三省堂

【いただきもの】姉崎洋一他編(2016)『解説 教育六法(平成28年版)』三省堂

 

ご紹介遅れましたが、編者のおひとりである小川正人先生からお送りいただきました。

どうもありがとうございます。

 

帯にも記されていますように、学教法、教特法、地公法などの主要法令の改正のほか、

「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」「公立義務教育諸 学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」「職業能力開発促進法」「文部科学省設置法」「教育職員免許法」もフォローされています。

 

また、中教審答申「子供の発達 や学習者の意欲・能力等に応じた柔軟かつ効果的な教育システムの構築について」や中教審答申「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」も掲載されておりまして、便利な一冊ですね。

 

授業等でも活用させていただきたいと思っています。

 

どうもありがとうございました。

解説教育六法2016 平成28年版

解説教育六法2016 平成28年版

 

 

【いただきもの】下司晶・須川公央・関根宏朗編(2016)『教員養成を問いなおす-制度・実践・思想』東洋館出版

【いただきもの】下司晶・須川公央・関根宏朗編(2016)『教員養成を問いなおす-制度・実践・思想』東洋館出版

 

同僚の河野桃子先生からいただきました。いつもどうもありがとうございます。

 

「教員養成」に対しては、これまで教育政策の一分野としての歴史的過程として捉えていましたが、今や当事者としての視点も持ち得ながら向き合う必要性を感じています。教育哲学を専門とする諸先生方の論考をじっくりと読ませていただきます。

 

どうもありがとうございました。

 

 

目次は、下記の通りです。

 

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第1部 教員養成制度の現状と課題

・戦後教員養成改革を振り返る―教職の専門職性のゆくえ

・「大学での教員養成」原則における小学校教員養成課程をめぐる矛盾―新制東北大学教育学部宮城教育大学を中心に

・教員養成と教員採用・研修の“あいだ”

・保育教諭の「教育原理」は可能か―教員養成と保育士養成のあいだで教育の基礎を問う

 

第2部 教育実践から教員養成を問いなおす

・道徳の教科化は教員の意識を変える?

幼稚園教諭の専門性とその養成

・インクルーシブな教員養成への模索―視覚障害学生の教育実習を中心に

・現職教員座談会 教員として生きるための哲学―道徳・キャリア・適応と抵抗

 

第3部 教員養成の思想と哲学

 

・教員養成における理論‐実践問題の起源を辿る―ヘルバルトの教員養成論へ

・教員養成課程において「見る」ことをどう捉えるか―シュタイナー思想に基づく「オイリュトミー療法」の子どもの見方とその養成から

・教員養成における「教育関係論」と『エミール』の「関係」論について

・教員養成における「技(art)」についての一考察―後期フロムの方法論を手がかりに

 

特別座談会 アクティブ・ラーニングで市民と教師を育てる?―教員養成の社会哲学

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